「アメ車に明日はあるのか?」というエッセイの締めくくりとして、米ビッグ3それぞれを分析しようと思う。今までの取材に加え、ここ1ヶ月ほどの取材で痛感したことも多い。
●GM−−世界NO.1の呪縛が解け、やや落ち着いた
世界自動車生産/販売台数でトヨタに負けることは、GMにとって屈辱だ。人間とは感情豊かな動物。「日本人なんぞに……」と思うのは、自意識が強いアメリカ一流企業人にとっては自然現象だ。
しかし、トヨタに対して(一時的な?)負けが確定した現在、GM首脳陣の肩から少し力が抜けたようにも思える。結果、名誉より実を取る方策として、UAW(全米自動車労組)と医療費負担について妥協策が進展しているそうだ。販売戦略/ディーラー対応についても、2004年の「オールズモービル」ブランド廃止以降、さらなる再編の可能性が示されている。
最も重要な“クルマ”についても、デザインとパッケージングに優れたモデルがやっと登場し始めた。「キャデラックCTS」「ポンティアックG8」など、特にハイパフォーマンス系での秀作が目立つ。
SUVについても、「キャデラック・エスカレード」はデザインも走りも正常進化した。これからの売れ筋となるであろうミドサイズSUVでは、「サターン・アウトルック」「GMCアルカディア」の質感が上がっていて、トヨタもかなり気にしている。
そして最近、日本でも急激に報道が増えているのが、エタノール燃料車。シカゴ先物市場で、エタノール燃料の原料となるトウモロコシの相場が急騰するなど、話題が多い。E85(エタノール85%含有燃料)はGMが主力となり推し進めている戦略であり、ブッシュ政権へのロビー活動が功を奏し、インフラ整備が徐々に動き出したようだ。
元王者GM、ジンワリとだが各方面でシッカリとした足取りの軌道修正が進んでいる。