■姓は三菱、名も三菱
昨年秋に満を持して登場した「コルト」が出足好調の三菱。国内向けとしてはほぼ30年ぶりに復活した名を冠したこの小型車は、三菱が乗用車メーカーとしての存続を賭けたと言っても過言ではない存在といえよう。そこまでは及ばないながら、今から20年ほど前にかなり力を入れて送り出されたにもかかわらず、市場の支持を受けることなく一代限りで消滅してしまったモデルがあった。それが今回取り上げる「トレディア/コルディア」である。
1982年に登場した両車は、プラットフォームおよび横置きFWD (前輪駆動)のパワートレインをはじめとするメカニカルコンポーネンツを共有する兄弟車で、トレディアがオーソドックスな3ボックスセダン、コルディアが 3ドアハッチバッククーペだった。車格的には当時の「トヨタ・カローラ」や「日産サニー」と同じか気持ち上といったところで、同門の「三菱ランサーEX」(2代目ランサー)とオーバーラップしていた。この時点でランサーEXはデビューから3年を経過しており、そもそもの成り立ちが旧世代に属するFRセダンだったから、三菱としてはいずれトレディアにその市場を引き継がせることをもくろんでいたのだろう。