■意外に面倒くさいゾ!応募手順ところが実際の応募手順は、そう甘くなかった。まずはユーザー登録が必要とのこと。住所などのほかにも「現在お持ちのクルマ」「買い替え予定時期」まで入力する。そしてアクセス方法を記した返信メールを待たなければならない。
イタリアでは、この返信メールというのがクセもので、日本のようにすぐ来るとは限らないのだが、幸いこの500サイトは即座に応答してきた。
さっそくユーザーネームとパスワードを使って、応募ページにアクセスする。まずは音声の録音である。パソコンのマイクに向かって、「ごひゃく!」と声を発する。近所の犬の声や、我が家の預金残高を見た女房の「あーあー」という嘆き声が入ってしまったりでNGが続き、ようやくモノになったときには10回目を超えていた。
さらなる難関は、懐かしのテレビ番組『風雲たけし城』のごとく次々と待ち構えていた。応募する国名はウィンドーから選択するのではなく、自分でgiapponese(=日本語)とキーを打ってマニュアル入力しなければならない。
次に「オーディオファイルはMP3形式のみ送信可」との注意書きが。別形式で録ってしまっていたボクは、改めて「ごひゃく!」の録音を繰り返した。
そのうえ「五百」という漢字表記も送信しなければならない。それもキーボード入力ではダメ。jpgイメージファイルである。
とどめは国旗だ。これもウィンドーから簡単に選択するだけかと思ったボクが馬鹿だった。200kb以下のjpg形式でイメージファイルを送信しなければならない。つまり、自分で日の丸を探してスキャンしないといけないのである。
すべての作業を終えてアップロードを果たしたときには、ほぼ半日が経過していた。あまりの疲れから、「もしや既存の22カ国語は、すべて事前にサイト制作者が用意したものではないか?」という疑念さえもムラムラと沸いてきた。
底値時代に買ったフィアット株を今売却して儲けているアタマのいい人は、こんなサイトにつきあってないんだろうな。そう思うと泣けてきた。
ところが、アップから約半月経過した先日5日木曜日のことである。歯医者から帰ってきたら、「500 wants you」から1通のEメールが届いていた。
読んでたまげた。「キミの声が公開されたヨ!」というお知らせではないか。
慌ててサイトを開いてみると、確かにボクの声で「ごひゃく!」ボイスが聞けるようになっていた。他国語のバリエーションも増えていた。
よくパニック映画で救助隊が来る直前に自暴自棄になり、挙句の果てに死んでしまう登場人物がいる。『webCG』に恨みつらみを書きたてようとしたボクは、まさにそれであったことを恥じた。
フィアット、ウソつかない。
なおこの発音サイト、各国における方言も歓迎とのこと。事実、イタリア語でも「モデナ方言」なんていうバージョンがある。
我こそはという方は、関西弁や京ことば、もしくは博多弁の「ごひゃく」をアップロードしてみてはいかが?
「speak500」:
http://www.fiat500.com/eng/index.asp?intro_nick=(文=大矢アキオ-Akio Lorenzo OYA/写真=FIAT/2006年10月)