■久美子もひろ子も凄かった
日本企業の広告プロモーションやCI(Corporate Identity)戦略には、すさまじいものがある。ある日突然、それも徹底的に始まる。最近では、ソフトバンク携帯電話のCI展開が記憶に新しい。街中にいきなりSoftBankの文字が溢れた。
1987年、国鉄が民営化されて、JR東日本が誕生したときは、初代イメージガールである後藤久美子の写真が溢れかえった。ジャン・アレジが彼女がそんな仕事をやっていたことを憶えているかどうかは怪しいが、制服を着て敬礼するポスターが全駅に貼られていたものだ。
それより2年前、1985年にNTTが発足したときも然り。新聞を開けば、イメージキャラクターに抜擢された薬師丸ひろ子が毎日のように出ていた。テレビをつければ、彼女が歌う『もっとあなたを知りたくて』を使ったCMが頻繁に流れた。あまりに繰り返されるので、ボクなどは今でも日本に行くたび、街で公衆電話を見ると口ずさんでしまう。
自動車メーカーのCIでは、カルロス・ゴーン以降の日産は、勢いがあった。銀座4丁目のギャラリーから全国津々浦々のショールームまであっという間に改装され、名刺もゴーン氏から一セールスマンに至るまで、新しいデザインに統一された。