■寄るべきか、寄らざるべきか
いよいよ、今日はロシアの首都モスクワへ入る……かもしれない。
“入らないかもしれない”のは、モスクワを通過して、行けるところまで走ってしまおうと考えているからだ。
朝7 時にホテルをチェックアウト後、ニージニー・ノヴゴロド駅前にカルディナを停め、構内で400米ドルを両替(約4万6400円/1ドル=29.9ルーブル)する。駅前屋台で売っているピロシキとバナナ、ヨーグルトを買ってきて、車内で食べながら本日の作戦会議を行った。
「モスクワまで420km、サンクトペテルブルグまで1163km。モスクワに寄らなければ、一気に走れる距離だね」
「モスクワに寄っていたら無理。その場合は、モスクワに1泊することになる」
モスクワには、通訳のアレクセイがインターネットで検索して調べてくれた保険会社がある。われわれは、EU諸国を走るために必須の自動車保険「グリーンカード」に加入しなければならない。その加入申し込みを行うのに、申請するオフィスの所在地が明らかなモスクワに行くか、それとも不確実だがサンクトペテルブルクまで行って探すか。
モスクワにある保険代理店に寄るなら、街に入って出るので時間がかかってしまう。サンクトペテルブルクはロシア第2の大都市で、港町でEC諸国との行き来も盛んだ。それほど大きな街なら保険屋がたくさんあり、「グリーンカード」を扱っているに違いない。念のため、始業時間の 9時を過ぎてからサンクトペテルブルクのフェリー会社に問い合わせた。
「ウチで保険は扱っていない。街に保険会社? もちろん、たくさんあるサ」。
モスクワ、通過決定!