■「RX87」から約2年
量産化を前提とするロータリーエンジン搭載の次世代スポーツ「RX-8」が2001年のデトロイトショーで発表されたことにより、「ロータリーのマツダ」というアイデンティティはかろうじて守られた。
マツダがロータリーエンジン搭載の市販第1号車であるコスモスポーツを発売したのは1967年。それから30余年におよぶマツダ・ロータリー史上において、最強(?)の「これっきりですカー」といえば、1969年に登場した高級パーソナルカー「ルーチェ・ロータリークーペ」であろう。
ルーチェ・ロータリークーペのベースとなったのは、66年8月に発売されたルーチェ。カロッツェリア・ベルトーネ(スタイリストはG・ジウジアーロ)の手になるボディをもった、1.5リッター級の4ドアサルーンだった。
ルーチェは、当時の国産車としては先進的だった直4SOHCクロスフローユニットを除けば、ごく平凡な設計のサルーンだったが、じつは当初はロータリー搭載車として企画されたという。しかし、やはりロータリーはスポーティモデルに搭載したいというマツダの意向から、レシプロエンジンに変更された。
その後、オリジナルのサルーンボディをマツダの手で2ドアハードトップクーペにアレンジし、ロータリーを搭載したプロトタイプが、67年の東京モーターショーに「RX87」のコードネームでデビュー。それから2年後の69年10月、ルーチェ・ロータリークーペとしてようやく市販開始されたのである。