■もの足りない走り
1565kg (ベンチシート仕様)というロードペーサーAPの車重は、1800kg前後もあったプレジデントやセンチュリーに比べればかなり軽かった。しかし、本来は強大な低中速トルクをもつ5リッターV8や3.3リッター直6エンジンで動かしていたボディに20kgmにも満たない最大トルクでは、いかにも荷が重く見えた。しかして『Gar Graphic』1975年7月号に掲載されたロードインプレッションでは、「その走りっぷりは正直なところもの足りない」と評されている。
ターボでもあればそうした弱点はかなり改善されたろうが、これはロータリーターボが実用化される7年も前の話なのである。また、いくら看板とはいえそこまでロータリーにこだわらなくても、と思う方もいるかもしれない。だが、そもそもレシプロも含めて当時のマツダでもっともパワフルな乗用車用エンジンが13B であり、ほかに選択肢はなかったのだ。
余談になるが、全長6m以上、車重3トン近くあるボディに同じ13Bを積んだ小型バスのパークウェイロータリー26に、定員乗車(26人)したときの走りはいかなるものだったのか……非常興味深いものがある。