日本で相変わらずそこそこウケていても、イタリアやフランスで滅多に見ない日本車のタイプといえば何でしょう?
答えは「ワンボックスカー」である。
オランダなど一部の国で以前販売された初代「トヨタ・エスティマ」や、商用車ベースの「トヨタ・ハイエース」、日産モトールイベリカ(スペイン)製の「バネット」「日産セレナ」などは稀に路上で見かけることがある。
しかし現行では、乗用車専用ワンボックスは「マツダ・プレマシー」の海外仕様「マツダ5」を除き伊仏には輸入されていない。
「トヨタ・アルファード」も、「日産エルグランド」も、こちらでは走っていないのだ。ましてやジャン・レノが対座シートで家族と「そうだよ、私のマドモアゼル」などと対話している姿など、誰も知らない。
いずれも日本では国道沿いのカー用品店駐車場に必ず1台は停まっているクルマにもかかわらずである。
だからこちらで生活していると、時折ふと「お元気ですか」と、吉永小百合顔で遠い空を眺め、センチュリーとワンボックスカーに思いを馳せてしまう。
もちろん、伊仏にも乗用車専用ワンボックスがあることはある。
フィアットとPSAプジョー・シトロエンによる合弁会社セヴェルで製造している「ランチア・フェドラ」「フィアット・ウリッセ」「プジョー807」そして「シトロエンC8」の4姉妹だ。
排気量はガソリンが2リッター、ターボディーゼルが2リッターと2.2リッターで、フェドラの場合、全長×全幅×全高は4720×1860×1750mmだ。同じ2リッター級7人乗りということで「トヨタ・ノア」と比べると90mm長く、140mm幅広く、100mm低い。
しかしながら、売れない。2007年12月のイタリア新車登録台数を見ても、フェドラが137台、プジョー807はたった71台である。
まあ、そうしたニッチ車種だからこそ、ジョイント・ベンチャーで開発、生産しているのであろうが。