■ エグゾーストノートに誘われて
イタリアでは今年も、2009年5月15日から17日にかけて、ブレシアを基点に1000マイルの道のりを走るヒストリックカーレースイベント「ミッレミリア(Mille Miglia)」が開催された。ボクが住む街シエナは、昔からの通過地点。毎年、開催2日目の土曜日に参加車両がやってくる。
長年浅草に住んでいる人が「サンバカーニバル」をどう思っているのかは知らないが、皮肉なもので舞台となる街に住んでいると、年々ありがたみが薄れてくる。ましてや4年前に実際にナビゲーターとして参加し、肉体的にも精神的にも疲労困憊した経験が今も生々しく思い出され、もうミッレミリアの「ミ」の字も見たくないと思うこともある。
しかし悲しきかな、乗り物好きであることは生涯変わらない。朝ローマを出発した参加車が到着し始める昼ごろになると、「近所だし、いっちょ行ってみますか」と腰を上げるのが毎年の常だ。
今年も煉瓦の街に響くエグゾーストノートに誘われるまま、歩いて5分ほどの広場にふらふらと向かってしまった。
377台が並ぶ参加リストのなかで目立つのは、今年もメルセデスの「300SL」である。これは毎年メルセデスがスポンサーを務めており、自社の所有車も走らせていることが背景にある。
珠玉といわれるさまざまなフェラーリやマセラーティもやってくる。いずれも、これまでメディアを通じて、たびたび伝えられてきたクルマたちだ。
しかしそうした“スター”以外に、楽しくほのぼのとしたモデルも現れては人々を楽しませてくれる。
日本では伝えられる機会が少ない、そうしたクルマたちが舞い込んでくる様子を中心にお伝えすべく、今回はビデオ片手に広場で待ち構えた。
(文とビデオ=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)