シトロエンが新プレミアム系シリーズを「DS」の名前で展開すると決めたのは、2008年のことだった。そして、
その第1弾「DS3」が、2009年のフランクフルトショーで発表された。
「DS」というと、今や日本だけでなくイタリアやフランスでも「これっすか?」と任天堂のゲーム機を見せられそうなご時世である。だが、iPodのヒットで「i」の付く商品が増えた現象と同じく、あのゲーム機のおかげで、“DS”の名前は意外に人々にすんなり受け入れられるというハイブリッド効果? があるかもしれない。
いっぽう、元祖「シトロエンDS」(1955-75年)は、その独創的スタイルとメカニズムで、世界の自動車界に衝撃をもたらした。その操作系も、独特のものがあった。
今回取材に協力してくれたのは、フランス・ブルターニュ地方在住のマルセル・エランさんだ。DS2台、2CV最終モデル1台の計3台を所有する熱烈シトロエニストである。
「当時としてはあまりにアヴァンギャルドなテクノロジーに惚れこんでしまった」というのが、彼がその道に入ったきっかけだ。
今回は、以前お送りした
「イタリア製3輪トラック・アペの運転」に勝るとも劣らない、その個性溢れるDSの「お作法」を、じっくりご覧いただこう。
隣にいたジーナさんは、「私がまともに運転できるクルマがない!」と嘆いていた。エンスー家庭の悩みは、どの国も同じなようで……。
(文と写真=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)