ボクが住むシエナの街でいち早く「フィアット500」を導入した自動車教習所があることは、2008年5月の本欄で紹介した。その
“フィアット500教習所”がその後どうなったのか、ちょっと訪ねてみることにした。
世界遺産にも登録されている煉瓦造りの街並み。そのド真ん中にある「バルツァナ自動車教習所」のドアを開ける。すると、インストラクター兼共同経営者のヴァルテルさんが出迎えてくれた。どこか梨本勝を思わせる、イイおじさんである。
この国の他の教習所同様、ヴァルテルさんの教習所も、学科の開講時間は週にわずか4、5時間だ。そのうち半分は、教習生が大学や高校が終わったあとに来やすいよう、夜の6時に始まる。したがって、午前中の部である9〜10時の学科講習が終わったあとの事務所は、どこかのんびりした時間が流れている。
「今、ウチは教習車4台すべてがフィアット500だよ」とヴァルテルさんは誇らしげに答えた。1年前、最初の1台を導入したとき、「これから4台の教習車すべてをフィアット500にする」と言っていたが、マニフェストを守ったわけである。
なお、バルツァナ教習所の500は、すべて1.3リッターマルチジェット・ディーゼル仕様である。日本未導入だが、イタリア自動車工業会が毎月発表するディーゼル車登録ランキングでは、トップテンの常連だ。
この教習所の場合、ガソリン仕様を教習車に使っていたのは、ディーゼル仕様がなかった初代「ランチア・イプシロン」まで。その後は燃費のよいディーゼル車をずっと使っている。