トップエッセイ(リスト)第133回:ジュネーブモーターショー(前編)これは「キャロライン洋子」から「ベッキー」への進化だ (10.03.13)
エッセイ

マッキナ、アラモーダ!
第133回:ジュネーブモーターショー(前編)
これは「キャロライン洋子」から「ベッキー」への進化だ

今年第80回となったジュネーブモーターショーの会場風景。
「テスラ」は、150周年を迎えた「タグ・ホイヤー」とコラボレーション。
ヴァルメットの「エヴァ」は2+2のEV車。
 新進ブランドに注目
ジュネーブモーターショーが、同地のパレクスポ会場で2010年3月4日から14日まで一般公開されている。第80回目となる今年は、大小含めて150の「世界初」が展示されている。
主催者によれば、会期最初の3日間には28万7000人が訪れ、これは2009年に比べて微増の6.5%プラスという。しかし総来場者数でみると、2009年は2008年比で9.4%マイナスの64万8000人であったから、主催者としては全11日間が終わるまで気が抜けないだろう。参考までに、2009年東京モーターショーの入場者数は13日間で61万人だった。

さて、主要メーカーの新型車はニュースに任せ、筆者から見た今年のジュネーブショーについて記すことにしよう。
注目したいのは、日本のメディアでは紙幅の問題などで紹介される機会の少ない出展者が、去年にも増して元気だったことである。

まずは「ロータス・エリーゼ」のパーツを活用した電動スポーツカーで知られる、米国シリコンバレーの「テスラ・モータース」である。今回は時計ブランド「タグ・ホイヤー」とのコラボレーションモデルでジュネーブ上陸を果たした。これまで経済ニュースなどで「ベンチャー」「走りのEV」といった側面で採り上げられることが多かった同社だが、洒落っ気を身につけてきた。

昨年も出展していた「ヴァルメット」社は、今年は2+2のコンセプトEV「エヴァ」を発表した。ヴァルメットは現在、ポルシェの委託を受けて「ボクスター」と「ケイマン」の生産をフィンランドで行っている企業である。

スイスの「リンスピード」も元気だ。本来はチューナーから出発した企業だが、近年は意欲的なコンセプトカーを次々手がけていて、今年はジョイスティック操作のEVを展示した。名前はYou seeに引っ掛けた「UC?」である。
リンスピード「UC?」
トゥーリングの「ベントレー・コンチネンタルGT」をベースにしたシューティング・ブレーク「フライングスター」。デザイナーのL.ファブリベッカース氏は32歳。
往年のカロッツェリアの名前を復活させ、これまでヴィラ・デステ・コンクールデレガンスを中心に新作を発表してきたミラノの「トゥーリング」は、「ベントレー・コンチネンタルGT」ベースのシューティング・ブレーク「フライングスター」を製作して公開した。

いっぽう「イスパノ・スイザ」は、元アウディのデザイナーらが立ちあげた、こちらも往年のブランド復活プロジェクトだ。ベースモデルの価格は70万ユーロ(約8600万円)である。

前述のような企業と規模は違うが、ルノー系の「ダチア」についても記しておきたい。
去年まで小さなスタンドを構えていたこのルーマニアのメーカーは、今年はついに中央エスカレーターに近い、より目立つスペースに引っ越した。低価格でヒットした「ロガン」「サンデロ」に続く第3弾は、SUVの「ダスター」で、2WD車の予定価格は1万1900ユーロ(約146万円)である。



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大矢アキオ
コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社SUPER CG編集記者を経て、96年からイタリア 在住。現在、雑誌Webのほか、ラジオ・テレビでも活躍中。とくにNHK『ラジオ深夜 便』における、0時過ぎの公共放送に相応しくない賑やかな語り口は、ここ数年ヘ ビーリスナーの間で話題となっている。主な著書に『Hotするイタリア』(二玄社)、 『イタリア式クルマ生活術』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)がある。




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