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ホンダCR-V 「パフォーマiG」(4AT)/「フルマークiG 2WD」 (4AT)【短評】
(01.10.04)
インプレッション
【スペック】パフォーマiG:全長×全幅×全高=4490×1780×1710mm/ホイールベース=2620mm/車重=1460kg/駆動方式=4WD/2リッター直4DOHC16バルブ(158ps/6500rpm、19.4kgm/4000rpm)/車両本体価格=199.8万円(テスト車=234.3万円:ナビ+バックモニター+ディスチャージヘッドランプ+各部ボディ同色化)
■
燃えない理由
ホンダCR-V 「パフォーマiG」(4AT)/「フルマークiG 2WD」 (4AT)
……234.3/214.8万円
2001年9月18日、ホンダの“街乗りヨンク”「CR-V」がフルモデルチェンジを受け、「ホンダ買うボーイ」改め「フリータイムマシーン。」として登場した。ニューマシンは、果たして「フリー・タイムマシーン。」なのか「フリータイム・マシーン。」なのか、はたまたどうして句点がつくのか、と、それらはともかく、初代CR-Vに多いなる好意を抱く『webCG』記者が、プレス向け試乗会に参加した。
「10・15モード」で13.0km/リッターの燃費(平成22年燃費基準適合)、排出ガスに関しては、平成12年規制値の50%以下(HC、NOx)を実現した。
■
ショートノーズ&ビッグキャビン
試乗会場の「エピナール那須」に到着すると、雨にうたれてCR-Vが並んでいた。「ホントに新型なのか?」と思いながら受付を済ませる。1995年にデビューした初代CR-Vは全世界で累計100万台を売るヒット作となり、後継モデルは当然「キープコンセプト」となったわけだ。キャッチコピーは、「フリータイムマシーン。」。先代は、思いだすだけでちょっと照れる「ホンダ買うボーイ」だった。いまや“街乗りヨンク”がすっかり世間に馴染んだから、ことさらカウボーイを持ち出してエクゾチックさをアピールする必要がなくなったのだろう。
新型も、シビックのシャシーをベースに5ドアのSUV風ボディを載せるという成り立ちは変わらない。車台は、ストリーム、インテグラ同様「グローバルコンパクトプラットフォーム」と呼ばれるものだ。とはいえ、シビックと共通なのはフロントフロアまでで、ホイールベースは3ドアモデルより60mm短い2620mm。サスペンションは、前がトー変化が少ない「トーコントロールリンク付きストラット」、後はL字型のロアアームをもつ「ダブルウィッシュボーン」と、形式上はシビックと共通だ。
ニューモデルも従来通り、タイヤを背負ったクロカン風「パフォーマ」と荷室床下に収納した“都会派”「フルマーク」に大別され、後者のボディサイズは、全長×全幅×全高=4360×1780×1710mm。ホイールベースは先代と同じながら、ボディ長を25mm短縮、「Comfortable Runabout - Vehicle」としてのコンパクトさを推し進めながら、一方、キャビンの拡大が図られた。室内長は従来モデル+65mmと、プレス向け資料には記載される。
それが可能になったのは、ホンダ自慢の軽量コンパクトな新世代エンジン、2リッター「i-VTEC」ユニット(158ps、19.4kgm)のおかげで、キャビンとエンジンルームを仕切るバルクヘッドを前進させることで「ショートノーズ&ビッグキャビン」が実現できた、そうである。
なお、トランスミッションと駆動方式は、「パフォーマ」に5段MTと4段ATの4WDモデル、「フルマーク」には4段ATのみながら4WDほかFF車が用意される。
■
大人びた乗り味
CR-V「パフォーマiG」に乗り込むと、なるほど広い。前席左右、前後席間に余分なでっぱりのないフロアが効いている。フラットな床面を実現するために初代で採用されたコラムシフトとステッキ式パーキングブレーキは、新型ではメーターナセル横から生える「インパネシフト」とセンターコンソールの太いレバーに形態変化した。ありがたいのは、サイズアップされたシートで、モケットと革風素材の「カブロン」のコンビネーション。初代オーナーの方には悪いけれど、「貧相」からようやく「並」になった印象だ。
飛行機の操縦桿のようなパーキングブレーキにニガ笑いしながら試乗を始めると、CR-Vがグッと大人びたのを感じる。「『乗用車感覚の快適性』のさらなる進化」を目指した2代目は、足まわりに「ダンパーの大径化」「ひとまわり太いアンチロールバーの採用」などが施された。シビック、フィットのときにも感じたヨーロピアンな当たりの硬さがある。路面からの入力を受けるボディは、曲げで30%、ねじりで50%も強化されたといい、新奇なインパネまわりとはうらはらに(?)、新型CR-Vの“走り”に安っぽさはない。静粛性も高い。
パワステは回転数感応型の油圧式で、ステアリングが過剰に軽いということはなくなった。むしろ重め。ちなみに「エンジン+トランスミッション」で6cm以上幅がコンパクトになった「i-VTEC」は、ステアリングの切れ角増大にも寄与し、CR-Vの最小回転半径はわずか5.2mである。
アーバン4WD向けチューンが施された2リッターツインカム16バルブユニットのVTECは、低回転時には吸気バルブの片方を休止させる「ネンピ&エミッション」重視型。とはいえ、可変吸気システム、吸気側カムのタイミングを変化させるVTC(Variable Timing Control)を上手に組み合わせ、158ps/6500rpmの最高出力と19.4kgm/4000rpmの最大トルクを発生する。アウトプットが前モデルより8psと0.6kgm大きいだけでなく、低中回転域でのトルクが厚いのがジマンだ。最大トルクの発生回転数は4000rpmだけれども、「2000から3000の実用域で19kgmは出てるんじゃないですか」と、試乗後、ホンダのエンジニア氏がおっしゃった。
前席は、追突時にヘッドレストが前に動いてむち打ちを起こしにくくする、いわゆるアクティブヘッドレスト機能を備える。エアコン吹き出し口の下に用意されるのが「インパネマルチボックス」。大きめのダイヤルも使いやすさに考慮したためとう。
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まじめにブラッシュアップ
続いて、「フルマークiG」の2駆モデルに乗る。パフォーマiGより4WDシステムがないぶん、車重は50kg軽い1410kg。乾きはじめた路面をみつけてハードコーナリングを敢行しても、腰高感からくる不安はない。「でもなぁ……」とへそ曲がりのリポーターは考える。かつての軽快さは影をひそめた。質感を造形でカバーしたインテリアもいかがなものか。
よく考えられたシートアレンジ、バックガラスとハッチゲートを別個に開閉できる「2WAYテールゲート」、それにビデオ入力端子を備えたナビゲーションシステム、エアコンの風を導入できる「インパネマルチボックス」といった細かい改良にも余念がない。試乗前のブリーフィングで、荷室床下に収納される組立式テーブル「ビルトイン・テイクアウトテーブル」について、「大きくなって使いやすくなりました!」と説明されたときには苦笑を禁じ得なかったけれど。きっと、開発陣の皆さまは、フリータイムも頭のなかは「フリータイムマシーン。」でいっぱいだったんでありましょう。チョイ乗りながら、2代目CR-Vは、各部まじめにブラッシュアップされたクルマということがよくわかった。
生産台数の半分がさばかれるアメリカでは、ホンダのライトクロカンは「キュートでカワイイ」と、女性の足に使われることが多いという。時代とともにクーペからSUVへ。セクレタリーカーもうつりにけりな、いたずらに。6年前に初めてCR-Vのステアリングホイールを握ったときの興奮を思い出しながら、しかし新型に乗っても“燃えない”のは、どんより曇った重い空と「フリータイム」という言葉に具体的な像を結べないココロ貧しい自分、そして、ホンダCR-Vが「One of Them」になってしまったせいである。
(文=webCGアオキ/写真=高橋信宏/2001年10月)
写真をクリックすると、ハッチゲートが開閉するさまが見られます。
フルマークiG。車両本体価格は187.8万円。テスト車は、ナビゲーションシステム、ディスチャージヘッドランプをオプション装備したため、214.8万円となる。
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