「どうせ軽自動車なんだから……」と舐めてかかると、望外ともいえる仕上がり具合に驚かされるのが走りの質感。ノンターボの660ccエンジンが発するパワーは、800kgレベルの重量を持つクルマにとっては、さすがに少々荷が重いと感じる場面もある。4段ATの助けもあって、街中の一人乗りならば不満を抱くことはまずないが、今回の取材のように、webCG記者とカメラマンが乗ることになれば、構造欠陥としか思えない高速道路の短い合流レーン(しかも大抵上り坂!)で、結構度胸と緊張を強いられることになる。
けれども、走り出した瞬間から「しなやか」という形容詞すら使いたくなるフットワークテイストは、お世辞抜きで「トヨタ・ヴィッツ」や「日産・マーチ」などの小型車とさして変わらない印象。フロントシートより一段位置が高く、それゆえに前席乗員との会話も弾みやすいリアシートに座っても、酷い突き上げ感に悩まされたりすることはない。これならば、ヒョコヒョコと常に落ち着かない乗り心地を強要されるベストセラーカー、「ホンダ・フィット」のリアシートよりは、遥かに快適だとぼくは思う。
ハンドリングの印象は、率直なところ「まぁ、こんなものかな」といったところ。電動式パワーステアリングを用いるクルマは、中立付近の手応え感がどうしても油圧式に劣ることが多く、残念ながらラパンも例外とは言えない。今や軽自動車でも高速道路は100km/h走行がOKの時代なのだから、もう少しマシな高速操安性を望んでもバチは当たらないだろう。
というわけで、単なる見掛け倒しではなく、その“中身”についてもなかなか気合いの入ったラパン。でもでも、願わくはこれでもう少し男向き、オジサン向きのディテールデザインを備えたモデルも欲しいところ。全く同様のコンセプトで登場する後発モデル、「ホンダ・ザッツ」との戦いぶりにも注目したい。
(文=河村康彦/写真=清水健太/2002年2月)
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