「そこまでモビリオは売れとらんのか……」と暗澹たる気持ちになった。2002年9月18日に発表された「モビリオ スパイク」のプレスリリースを受け取ったとき。
記憶のいい読者の方ならおぼえていらっしゃるでしょう。2001年の暮れに「フィット」ベースの3列シートミニバン「モビリオ」が登場した際、不肖ワタクシは「メチャメチャ売れる!」と思ったのである。(モビリオデビュー当時のインプレッション
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000011097.html)
映画『惑星ソラリス』まで持ち出して“次世代のクルマ”と持ち上げる(?)オッチョコチョイぶり。それなのに、ああ、それなのに……。
モビリオ スパイクの、デザイナーが仕事を放棄したかのごときボッテリした顔つき。2列シート、5人乗りの当たり前なシート配置。広報資料を読み進むにつれ、「これはきっと、プラットフォーム活用のために、販売不振のモビリオを加勢するモデルを急造したに違いない。大急ぎでつくったに違いない。そうに違いない」と、ひとり納得したのだ。
「何事にもこだわりを忘れず尖っていたい」を車名に表したというスパイクは、燃料タンクを後席下からセンターフロアに移した「グローバルコンパクトプラットフォーム」に、全長×全幅×全高=4110×1695×1705mmのボディを載せる。モビリオ同様、リアドアは左右スライド式だ。フリスビーをくわえた犬がジャンプしてボディを通り抜けることも……って、それはマツダMPVのテレビコマーシャルだって。
尖ったハイトワゴンの開発コンセプトは、「GARAGE BOX」。自分流にとことん使える空間を具体化した、と謳われる。同じシャシーを使いながら「ファミリー用」から「プライベート向け」へ。ホンダらしい、“振れ”の激しさである。