■ ロータリーらしさ
「マツダRX-8」の国際プレス試乗会は、コークスクリューで知られる北米カリフォルニアはラグナセカレースウェイで行われた。テスト車として用意されたのは、左ハンドル/ヨーロッパ仕様の「RX-8」。
低いボンネットフードに収まった2ローター・ユニットに火を入れる。ロータリーエンジン特有の、圧縮を感じさせない、何となくけだるいクランキング(クランクシャフトはないけれど……)というプロセスはあい変わらずだ。
エンジンが始動すると、そのサウンドは想像していたよりダイレクトに耳に届く。周波数成分をチューニングし「心地よいサウンドになるよう心がけた」というだけあって、たしかにそのドライな音色は、これまでの歴代ロータリーエンジン搭載車のなかで、最も澄んでいる印象。ちなみに、すくなくともドライバーズシートに座っているかぎり、排気音の方はあまり意識にのぼらない。ただし、日本は加速時の車外音量の規制が特に厳しいといい、(6MT車の場合の)測定ギアである第3速のギア比を、欧米仕様車に対してわずかにハイギアード化することでエンジン回転を下げる細工が施されている。
「日産シルビア」や「トヨタ・アルテッツァ」用と基本構造を共にするというアイシンAI社製の6段MTで第1速ギアを選び、ちょっとばかり妙なループ型デザインのハンドブレーキ・レバーを下げてから、ごく一般的な重さのクラッチペダルをエンゲージしてスタート。クラッチワークに気を遣うというほどではないが、やはりスターティングトルクは強大とはいえない。
短いシフトレバーはスポーツカーらしく手首の動きで操作ができるし、その位置も適切だが、素早いシフトではときに引っかかり感があったのはちょっと残念。微低速走行時にアクセルの「ON-OFF」を繰り返すと、ガクガクとスナッチ現象が生じる“ロータリーらしさ”(?)も、レベルは穏やかになったとはいえ、完全には克服されていなかった。