ウィッシュは基本的に「X」のみのモノグレードだが、各種モノ入れやオーディオ類を省いた廉価版「Eパッケージ」と、ディスチャージヘッドランプやエアロパーツ、革巻きステアリングホイールなどでスポーティに装う「Sパッケージ」が用意される。
ドライバーズシートに座ると、いわゆるミニバンより着座位置が低く、普通の乗用車と変わらない運転姿勢がとれる。ギザギザゲートをもつATシフターは、センターコンソールから生える。「ノア/ヴォクシー」というよりは「ホンダ・アヴァンシア」に似たインパネまわり。足踏み式パーキングブレーキを採用したこともあり、前席左右間の行き来は楽で、忙しい撮影の際に便利だった。
セカンドシートは前後に195mmスライドでき、また、ヘッドレストを抜くことなく、座面を前に折って背もたれを倒すダブルフォールディングが可能だ。物理的に十分なスペースがあるうえ、大きなサイドウィンドウが広々感を強調する。感心したのがリアドア開口部の大きさで、Cピラーにあたる窓枠に黒いガーニッシュを付けてピラーが前傾している印象を与え“スポーティ”を演出する。一方、内側の、実際の開口部は、上が狭まることなく垂直に近くに切られ、乗降性に考慮された。手練れによるさりげない工夫である。
サードシートは、この手のクルマの例に漏れず、子供もしくはエマージェンシー用。とはいえ、クルマのサイズは違うが、
「カローラスパシオ」では肩下までしかなかったバックレストが、ウィッシュではちゃんと肩にかかる。「ガッチリした頼もしいヘッドレスト」「背もたれを前に倒すと連動して沈む座面」と、着実に“カイゼン”が施された。