2ローターエンジン爽快感アップの根源は、排気ポートを、ローターハウジングから吸気ポート同様サイドハウジングに移したことにある。「ペリフェラル排気を捨て、サイド排気を採用した」というと、玄人っぽくてよろしい。
いままでは、オニギリ型ローターの三角形の角が排気口を通るときに、構造的に排気ガスが隣の吸気行程の空間にわずかに漏れていたが、RENESISでは吸排気口とも同一面に置かれて、ローターが双方をキッチリ分けるため、排ガス混入による燃焼の不安定さが解消された。また、やはり構造的に排出されていた未燃焼ガスの問題も解決。従来のロータリーの弱点であった「燃費」「排ガス」が、大幅に改善されたわけだ。
「RX-7より低く、ドライバーに接近して配置されたエンジン」「RX-7より長いアームをもつアルミサス」「カーボンファイバー+樹脂のワンピースプロペラシャフト」「トランスミッションとデファレンシャルを結んで剛性アップ」といったエンジニアの方のフレーズとはうらはらに、総じてRX-8は、思いのほか“スポーツ”より“ファミリー”に振られている気がした。ともすると“ピュアスポーツ”に走りがちなエンジニアの手綱を、自他共必死に引き絞って開発を進めている絵が浮かんで、可笑しい。ピュアスポーツを期待する向きは、ロードスターにロータリーが積まれるのを待ったほうがいい、かも。
根本的な機構を新しくしたエンジン、大量生産モデルとして斬新なスタイル、新しいコンセプト。発表当初の販売成績が持続するとはちょっと考えづらいし、今後さまざまな課題が噴き出すかもしれないが、なにはともあれ、商品として世に送り出したのがリッパだ。拍手喝采。RX-8は、存在するだけでエラい。
(文=webCGアオキ/写真=荒川正幸/マツダ/2003年4月)
・マツダRX-8【短評(前編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013077.html・マツダRX-8【短評(中編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013096.html