「乗りやすいクルマですね。ことレース車両というと、“(足まわりが)ガチガチ”“(エンジンが)ピーキー”“(すぐに)スピン”というイメージをもつヒトもいますが、マーチ カップカーはそんなことがない。初心者の方でも上達が早いんじゃないでしょうか」と話してくれたのは、この日、講師(?)として参加していた柳田真孝選手。現在、全日本GT選手権に、「日産フェアレディZ」(GT300)で出場している。
実際、絶対的な速度が高くならないハンドリングコースで、手軽なパワーのマーチを走らせるのは、抜群に楽しい。軽いボディはスロットルのオン、オフに素直に応じ、一方で、強力なフロントLSDの恩恵で、タイトコーナーでもアクセルを入れるとグイグイ曲がっていく。2、3周もするとヘルメットから汗がしたたったが、気にならない。バックスキンのステアリングホイールを握ってカーブの出口を睨み、ときにカップカーとステップを踏む。エクサイティング! ……でも、こういう運転だと、いいタイムは望めないんだよね。
「本当に攻め込んでいくと、アンダー(ステア)が強い傾向があります」と、柳田選手は、マーチ カップカーのハンドリングについて教えてくれた。「でも、限界を狙わないと速く走れない。その微妙なところに」オモシロサがあるという。いうまでもなく、脳天気にダンスを踊っているだけじゃあ、しょうがない。
試乗終了後、自分の“走り”のデータログが渡された。
「あのときの第1コーナーと、ヘアピンの入りかた、それから○週目の最終コーナーを合わせれば、ずっといいタイムになったはず……」なんて思っちゃうところが、素人の浅はかさ。でも、ついつい欲が出るのが、また、モータースポーツの醍醐味でもあります。
(文=webCGアオキ/写真=高橋信宏/2003年8月)
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