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ホンダ・ストリーム アブソルート(FF/4AT)【短評】
(03.10.16)
インプレッション
【スペック】アブソルート(FF/4AT):全長×全幅×全高=4555×1695×1590mm/ホイールベース=2720mm/車重=1380kg/駆動方式=FF/1.7リッター直4SOHC16バルブ(130ps/6300rpm、15.8kgm/4800rpm)/車両本体価格=190.0万円(テスト車=222.0万円/リアカメラ付き音声認識Honda・HDDナビゲーションシステム=32.0万円)
■
乗って選んでいただきたい
ホンダ・ストリーム アブソルート(FF/4AT)
……222.0万円
大トヨタが放った刺客「ウィッシュ」に、販売面で押された感のある「ストリーム」。2002年に実施されたマイナーチェンジから1年を経て、フェイスリフトに加え、スポーティな新機種「アブソルート」が追加された。お台場で開かれたプレス向け試乗会で、『webCG』記者が乗った。
アブソルートのインパネ。
スポーティ仕様のアブソルートだが、シート形状などは他グレードと同じ。生地は、ノーマルがしっとりしたスウェード調を採用するのに対し、アブソルートは目の粗いソフトウィーブと、トリコットのコンビネーションになる。
■
呆れました
2003年9月にマイナーチェンジを受けた、ホンダ「ストリーム」プレス向け試乗会で、「正直なハナシ、ムカつきました?」
と質問したら、開発スタッフの方々に笑われた。大トヨタが放った刺客「ウィッシュ」について、である。
「ムカつきはしませんが、呆れました。よくまぁ……ねぇ」
流線型の5ナンバーボディに3列シートを載せる、スポーティなルックスのピープルムーバー、ストリーム。2000年10月にデビュー以来、手頃な大きさ、リーズナブルな価格で人気を集め、3年で約23万台を売り上げたヒットモデルだ。
2002年9月、内外装に小変更を受けたが、たった1年で再びマイナーチェンジを受けたワケは、コンセプト、ボディサイズともソックリなトヨタ「ウィッシュ」が登場したから。ちなみに、新しいストリームのキャッチコピーは「ポリシーはあるか?」である。
今回のマイナーチェンジでは、4灯式ヘッドランプを採用してフロントマスクをリフレッシュ。精悍な顔つきになった。インテリアは、シート形状を改めてサポートを高めるなど、細かい改良が施される。
エンジンは、触媒を小型化。カタログ燃費は落ちたが、実用燃費や出足の加速を重視したという。リーンバーンは、カタログから落とされた。ほかに、走行中にエアコンを切ったり、ATのロックアップ領域を拡大するなどして、“実用”燃費は2リッターで10%、1.7リッターは5%高まったと、ホンダは主張する。
ラインナップは、1.7リッターがベーシックな「G」(4AT、FF/4WD)、と上級「S」(4AT、FF/4WD)、そしてスポーティな新機種「アブソルート」の3種類。2リッターはSグレードのみで、FFが5AT、4WDは4ATとなる。Sグレードの4WDモデルには、外観をアブソルート風に演出した「Sパッケージ」が用意される。価格は、160.0万円から228.0万円まで。
荷室は、開口部約112cm、サードシート使用時の奥行きは約30cmだが、畳めば117cmに拡大できる。(写真をクリックするとシートアレンジが見られます)
アブソルートの1.7リッターエンジン。新型ストリームは、2リッターリーンバーンを廃止。キャタライザーを小型化するなどの改良を行い、中低速トルクの向上を図った。カタログ燃費は若干下がったが、実用燃費は高まったという。
■
こだわりのアブソルート
マイナーチェンジの目玉は、1.7リッターのスポーティグレード「アブソルート」の追加だ。アブソルートは、フロントクロスメンバーや、前後サスペンション取り付け部分などを強化した、専用高剛性ボディを採用。サスペンション、ブレーキ、ステアリングも専用部品を使う、走りのストリームこだわりの1台である。ストリームの販売比率を考慮して、1.7リッターからの導入となったが、2リッター版も現在開発中だという。
まず、アブソルートに乗った。ブラックアウト処理されたヘッドライト、エアロバンパーが外観を特徴づける。1.7リッターモデルで、15インチアルミホイールと195/65R15サイズのタイヤを履くのは、アブソルートのみだ。
黒基調でまとめられたインテリアは、レッド照明のメーターや、革巻きステアリングホイール&シフトノブなど、随所にスポーティのアイコンがちりばめられる。
エンジンは、1.7リッターSOHC16バルブVTEC。130ps/6300rpmと15.8kgm/4800rpmのアウトプットは従来と同じ。約1.4トンの車重には必要十分で、VTECを効かせて、つまり高回転までまわすとそこそこ速い。4段ATでなく、2リッターに組み合わされるマニュアルモード付き5段ATが欲しいところだが、リーズナブルな価格もウリのストリーム。贅沢をいっても仕方ない。
スポーティと聞いて、ゴツゴツした硬さを想像すると、アブソルートにはいい意味で裏切られる。突き上げをいなす一方、ボディはフラット。スポーティセダン並……はいいすぎかもしれないが、しっかりした乗り心地だ。開発スタッフの「ただ硬いだけじゃなく、毎日乗って楽しいチューニングを施した」なる説明に納得である。ステアリングホイールの動きにキビキビ反応するハンドリングは、サードシートをもつクルマとは思えない。前後ダンパー取り付け部の剛性をあげることで「ヨレがすくなく、コーナリングでリアがピタっとついてくる」という、エンジニア氏のコトバが実感できる。
■
乗ればわかってもらえる
2リッターモデルは、当然ながら中低速トルクが太いため、高回転域を駆使することなく余裕をもって走れた。当然静かだし、ステアリングホイールの感触、乗り心地は、約100kg重い車重も手伝ってアブソルートよりユッタリ。大人数を載せる、ピープルムーバー本来の目的には、2リッターが合っているように感じた。
試乗を終えて、昼食を摂りながら、ウィッシュの影響についてエンジニアの方にお話をうかがう。販売面が、ウィッシュの影響で大ダメージを食ったのではないか聞いた。すると、
「ストリームは3年目ですから、2000〜3000台/月の販売台数は妥当。むしろ淡々と売れてます」と、(表面的には)冷静なお答え。
しかし、ウィッシュのプレス向け試乗会で、トヨタの主査の方が漏らした「ストリームはたいしたもんだ」(
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000012666.html
)のコトバを伝えたら、笑顔がこぼれ、口がほぐれた。
「2002年の東京モーターショーで、出展されたウィッシュをくまなく見ました。会場でいろいろ質問もした。デビューしてから乗ってもみましたが……」
乗り味、パッケージングに目新しさは感じなかったという。
「しかし、販売力には差がある。だからこそ、乗って選んでいただけるクルマをつくりました」。
リポーターとしては、これを「販売力」と「ポリシー」の戦い、と受け取った。アブソルートからは、特にエンジニアのポリシーが感じられただけに、新型ストリームには頑張っていただきたい。
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太/2003年10月)
【スペック】
20S(FF/5AT):全長×全幅×全高=4555×1695×1590mm/ホイールベース=2720mm/車重=1450kg/駆動方式=FF/2リッター直4DOHC16バルブ(156ps/6500rpm、19.2kgm/4000rpm)/車両本体価格=190.0万円(テスト車=267.5万円/リアカメラ付き音声認識Honda・HDDナビゲーションシステム=32.0万円)
チタンと呼ばれる内装色の20S。シート生地はスウェード調モケット+スウェード調トリコットのコンビネーションとなる。
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