“日常の使い勝手”という観点から新しいコンパクトカーを観察し、各担当エンジニアの方々から詳細な説明を受けると、パッソ&ブーン、「もうグゥの音も出ません」レベルにまで詰められていた。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=3595(-45)×1665(+5)×1535(+35)mm(カッコ内はヴィッツとの比較)。パッソ&ブーンは、車体の前後を圧縮する一方、ヴィッツを上まわる幅と高さ、そして70mmも長い(!)2440mmのホイールベースでキャビンを大きくとって、室内の“広々感”を手に入れた。カタログスペック上の車内体積は、ヴィッツを上まわる。デザインに関しては、トヨタ側が主導権を取ったということだが、グラフィカルな面はともかく、タイヤを四隅に追いやったクルマの成り立ちは「ダイハツ車そのものだ」と思った。
試乗会場に、デザインに携わったトヨタのデザイナーの方がいらしたので、さっそく聞いてみた。
−−パッソの外観には、「WiLLサイファ」の影響があるんでしょうか?
「ありません」
奇抜なサイファで市場調査をしたのち、こなれたデザインのリッターカーを出したのかと勘ぐっていたのだが……。
「どこが似ていると思われたんですか?」と逆に質問されたので、リアビュー。特にリアホイールアーチがリアバンパーにつながるところ、と答えたら、「そうですかねぇ」と首をかしげるのであった。
「イカツかわいい」という、「不思議、大好き。」調のデザインキーワードをもつパッソ&ブーン。張りがあるドアの面、ショルダーに走るシャープなキャラクターラインがことにジマンだそう。カワイすぎて、男子(やシルバー世代)にそっぽ向かれることを巧妙に避けたと見受けられる。
同様に、ボディカラーからも、たとえばベタなピンクやパステル調といった“いかにも”な色は慎重に排された。梅雨の合間の陽光に照らされた「カシスピンクメタリック」「ミントブルーメタリックオパール」「ライムグリーンメタリック」といったペイントは、たしかに魅力的に輝いていた。(つづく)
(文=webCGアオキ/写真=清水健太/2004年6月)
トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン(4AT/4AT)【短評(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015373.html