■ 2つのワゴン
“ベイビィ・ジャガー”こと「Xタイプ」のローンチ、兄貴分「Sタイプ」に同社初のディーゼルエンジン搭載車を追加……と、最近のジャガーの積極果敢な市場拡大策は、すっかり板についた感がある。ひと昔前には高額所得者ご用達(?)の高級モデル専門メーカーとして、高い敷居の向こうに存在していたのに……。
そんなリーピングキャットが、「ここまでやるとは!」と多くの人に思わせそうなのが、ここに取り上げるニューモデル、ジャガー初のステーションワゴンである「Xタイプエステート」である。
Xタイプサルーンのデビューが2001年のジュネーブショー。そのころ、「ジャガー社には2つのエステート案があった」と明かしてくれたのは、同社のデザイン担当取締役であるイアン・カラム氏だった。1979年にフォードに入社した後、90年からはTWRデザインのゼネラルマネージャー兼チーフデザイナーとしてアストンマーティン開発に携わり、さらに99年から現在の職を担う彼は、「実はXタイプとSタイプの双方でエステート案が検討されていた」と教えてくれた。
最終的にジャガー社の規模で2つのモデルを同時に手がけるのは荷が重いという判断から、まずはXタイプのエステートが生を受ける結果になった。が、それでも「Sタイプにはワゴンが不要という判断が下されたわけではない」という。事実、次期Sタイプでエステートが日の目を見る可能性はかなり高いそうだ。つけ加えれば、いまだにジャガーが静観を保つSUV市場に対しても、氏個人は「大いに興味がある」と語る……。