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ホンダ・アコード2.2i-CTDi(5MT)【短評】
(04.08.20)
インプレッション
【スペック】全長×全幅×全高=4665×1760×1445mm/ホイールベース=2670mm/車重=1520kg(車検証の数値)/駆動方式=FF/2.2リッター直4 DOHC16バルブ・コモンディーゼルターボ・インタークーラー付き(140ps/4000rpm、34.7kgm/2000rpm)
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肌で感じる期待
ホンダ・アコード2.2i-CTDi(5MT)
日本の自動車メーカーも、欧州ではディーゼル車を積極的に販売している。ディーゼルエンジン燃料噴射装置の大手サプライヤー、ボッシュが日本に持ち込んだ「ホンダ・アコード2.2i-CTDi」もそのひとつ。ホンダ自慢の自社技術ユニットはどうなのか? 自動車ジャーナリストの笹目二朗が乗った。
自動車ジャーナリストの笹目二朗
■
もしディーゼルがあれば……
日本ではすっかりワルモノにされているディーゼル車は、しかし、ヨーロッパでは主流である。一番理解を示すフランスでは、新しく販売される乗用車の約7割がディーゼルだという。西ヨーロッパ全体でも半分に達する勢いだ。
その理由はもちろん、地球温暖化を促進するCO2(二酸化炭素)の発生がすくないことに由来する。CO2の削減は世界的な動きであり、1997年に開かれた「COP3」で採択された京都議定書で、2010年までに1990年と同等の排出レベルに抑える、という国際的な取り決めがなされた。日本はさしあたって、運輸部門だけで4500万トンのCO2を削減しなければならない。対策しないと、全体の排出量は2億9500万トンに達するという。
この目標を達成するために、とにかく燃費をよくする方向で国と自動車メーカーは動いており、日本はディーゼルではなく、ハイブリッド化したガソリン車であるとか、燃料電池車にいく方向で進んでいる。細かな対策案としては、ウィンドウに貼るフィルムで赤外線を遮断して室内の温度上昇を抑え、エアコンの効率を上げてエンジン負荷を減らす方法などもある。フィルム貼りの国家資格を制定しているほどだ。
だが、もしディーゼル乗用車の比率を10%上げれば、2220万トン削減できるという試算がある。石原慎太郎都知事のやり方に業を煮やしたか、ディーゼルエンジンの肝でもある噴射ポンプのオーソリティ、ボッシュ・オートモーティブがディーゼル車への理解を深めるために、欧州で活躍している代表的なディーゼル車を輸入して試乗会を開催。その活動の一貫として、公道で試乗できるテスト車も用意された、というわけだ。
■
静かでクリーンで速い
「ホンダ・アコード2.2i-CTDi」は、排気量2204ccの直列4気筒DOHC16バルブ・インタークーラー付きターボを搭載。140ps/4000rpm、34.7kgm/2000rpmを発生する。この数字だけみても、これまでの旧式なディーゼルとはワケが違うが、ここにボッシュ第2世代コモンレールシステムや、燃料圧力1600barの高圧噴射が寄与していることは言うまでもない。ギアボックスは5MTでこれは欧州事情ゆえだ。ちなみに、テスト車は右ハンドルの英国仕様である。
これまでのディーゼルに対する石原さん的イメージとしては、「うるさい」「汚い」「遅い」という三悪であるかもしれないが、現代の最先端ディーゼルは、「静か」で「クリーン」で「速い」クルマである。アイドリングに関しては、たしかに硬い音質は隠せないが、音量としては低レベル。振動はもはや無視できる範囲だ。
走りだしてしまえば差がないどころか、高回転まで回す必要がないため、ガソリン車より静かなほどである。日本では非現実的だが、130〜200km/hクルーズが可能な欧州においては、ガソリン車ならば6000rpmに達するところ、ディーゼルならば4000rpmに過ぎない。日本ではこの半分しか使わないわけだから、静粛性は推して知るべし。
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ローカライズは必要
ディーゼルアコードは速さも十分。圧縮比が高いエンジン特有の好レスポンスが得られるし、ターボによる過給はガソリン車のようなスロットルバタフライがない構造上、スロットルオン/オフにまつわる変化がなく、ターボ過給圧はいつも維持される。
ただし、試乗車はプレステストでイジめられたのか、インタークーラーとマニフォルドを繋ぐゴムパイプがこなれてしまって、これが膨らむことにより過給圧が逃げてしまい、微小域のレスポンスはいまひとつ実力を発揮していなかった。ストップ&ゴーの頻繁な日本では、この辺の強化も必要だろう。
いまの日本でディーゼルは、問答無用、とにかく全面否定である。一方、悪い点を改良して良い点を享受しているのが欧州、という図式になっている。“改良上手”こそ日本のお家芸でもある。欧州仕様のさらに上をいく、魅力的な日本仕様のディーゼルを期待したいところだ。この夏の異常な暑さからも、CO2の削減は急務と、皆さん、肌で感じたはずである。
(文=笹目二朗/写真=郡大二郎/2004年8月)
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