といっても、当然のことながら、エネルギーは使う。エンジン、前後モーターの全動力源がフルに働くのは、4WD時と全力走行時といわれるが、たとえば芦ノ湖スカイラインを適度な速度で駆け上がっている間は、ほとんど常時、リアのモーターも回っているのが示されていた。
ということは、こういう状態では当然、燃費はけっして良くないし、バッテリーの負担も大きい。実際に箱根峠側からスカイラインに入って登坂を続けると、瞬間燃費数値は1〜2km/リッター台でめまぐるしく変化する。三国峠でクルマを停めて確認すると、バッテリー残量はディスプレイ上では15%近くにまで減っていたし、そこからアイドリングだけで30%ぐらいにまで充電するのに10分ほどかかった。
エネルギー保存の法則ではないけれど、働けば働いた分だけ必要なエネルギーは消費されるということだ。通常のハリアーで同じ運転すればもっと燃費は悪いだろうという見方もできるが、実は通常のハリアーではこれだけ速く走れないし、こんなに重くもない(ハイブリッドは約150kg増)から比較はできない。
それに理屈の上では、上り坂と同じだけ下り坂はある(一方通行を計算しなければ)。場合によってガソリン消費はゼロなのだから、どこかで釣り合いが取れることになる。
下りといえば、ブレーキの容量不足は気になった。簡単に言うと、重いこともあってフェードすることがあるのだ。これは実はハイブリッドの一つの課題なのだと、後でエンジニアの方に教えていただいた。回生ブレーキを効率的にすることと、ブレーキキャパシティを充分に取ることは、ときに背反関係になるという。さらにフルに電気のパワーを使った後バッテリーは高熱になり、チャージ効率も落ちるのだという。
「ハイブリッドというのは、まだまだ先が長いですね。問題点を解決し、より改善していけばいくほど、またパワーと燃費を求めれば求めるほど、また別の問題が出てくるんです」と聞かされた。(後編に続く)
(文=webCG大川悠/写真=高橋信宏/2005年3月)
・トヨタ・ハリアー/クルーガー・ハイブリッド(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000016538.html