ステアリングホイールには、左下にスタートボタン、右下には走行モード切り替えスイッチ「マネッティーノ」が赤く輝く。そして真ん中にはもちろん、鮮やかなイエローの円の中に鎮座する跳ね馬の紋章。裏側には2本のパドルが、今や当然のように備わる。
だから、「F430スパイダー」のコクピットに収まったときに見える光景は、どうもTVゲームっぽい。F1からフィードバックされた技術を使っているわけなのだが、形として表れるのは電子端末としての姿だから仕方がない。そのかわり、内装やダッシュボードの作り込みを見ると、以前と比べて明らかに上質さがアップしているのがわかる。シートはホールドのよさを保ちながらも、ふうわりとした感触で身体を包み込む。このへんは、ラクシャリー&プレミアムをテーマにした演出が成功している。
2005年3月にイタリア大使館で行われた
F430発表会では、360モデナと比べて迫力を増したエクステリアが印象的だった。スパイダーの実物を見るのは初めてなのだが、やはりクーペよりもエレガントなイメージである。
試乗車はオプションも盛りだくさんで、ナビゲーションシステムとETCがついていたのは大いにありがたかった。幅の広いクルマで左ハンドルというのは、ETCの恩恵がもっともよく感じられる組み合わせなのだ。右リアのホイールを擦ることを思えば、安い投資である。ただ、カーボンセラミックブレーキのオプション価格は166万円で、これはさすがに伊達や酔狂では選べない。