フットワークのテイストも、やはりさほど特徴のあるものとは感じられなかった。ハンドリングの自在度やスタビリティ、そして乗り心地に至るまでいずれも「ソツなくこなしている」という感触。特筆に値するような、キラリと光るポイントがあるというわけではない。「SUVの概念を塗り替える……」といいつつも、オールシーズンタイヤを履く事もあってか、微舵の効きが甘いのはやはりSUVらしい(?)部分でもある。ただし、ひとたび舵が効き始めるとそこから先のステアリング操作に対する応答性は比較的シャープな印象。走りの自在度という点では小回り性が想像以上に長けているのは嬉しいポイントだ。
というわけで、全般には見た目上でも走りのテイストでももう少し個性を演じてもよかったのではないかと思う。しかし一方で、このクルマが生まれてきた背景を考えれば「そうはいっても“振れ過ぎ”は禁物なのだろうナ」と、そんな同情が妙にできてしまうアウトランダーなのである。
(文=河村康彦/写真=高橋信宏/2005年10月)
・三菱アウトランダーG 5人乗り(4WD/CVT)/G 7人乗り(4WD/CVT)【短評(前編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000017391.html