ヨーロッパの都心部を走るクルマの平均乗員数は1.2人。大都市を走るドライバーは走行時間の50%を駐車スペース探しにあてている。ダイムラー・ベンツ(当時)がリサーチした結果がスマート誕生につながる。
メルセデスは全長2.5mの超小型車を本腰を入れてつくった。車両そのものから工場から販売網からすべて新調、新しいモビリティのあり方を真摯に模索、ニッチ市場で勝負を挑んだその姿勢に感服し、個人的には「クーペ」「カブリオ」(いずれも2001年型)と乗り継いで、すばらしいスマート・ライフを送っている……のはいいのだが、事業としてのスマートは当初からご難つづきだ。
スマートの生みの親のひとり、スウォッチの「SMH社」率いるニコラス・ハイエクが早々に抜け、100%ダイムラー・クライスラーのコンパクトカー部門になってからも首脳人事はころころと変わり、そして販売台数も低迷、利益はいまだに出せていない。
1998年のデビュー以来、スマートの販売台数は世界で80万台を数えた。スマート・プロジェクトの顛末を記した一冊
『Smart Thinking』(Tony Lewin著)には、初期投資を回収するには年販20万台がノルマとあるが、これが正しければ既に140万台以上は売れていないといけない。
日本では、2000年暮れの「クーペ」(現フォーツー)導入に始まり、スリム化し軽仕様とした「K」(2001年10月発売、輸入は終了し現在は在庫分のみ)、「ロードスター」「ロードスタークーペ」(2003年9月)、そして初の5人乗り「フォーフォー」(2004年9月)合わせ、累計でおよそ2万台(2005年12月末まで)が海をわたってきた。
ちなみに、スマートに触発されたであろうスズキがつくった2人乗り軽「ツイン」は、2003年1月に発売され2005年9月に生産終了。この間1万45台が売れたという。