新型エスティマの走りっぷりも文句のない出来だ。2.4リッターのGには215/55R17サイズのタイヤが装着されていたが、乗り心地はマイルドで街中でも快適。一方、高速ではもう少し上下動を抑えてシャキッとしたほうが個人的には好みだが、まずまずのフラット感だ。また、段差を越えるような場面でもショックをうまく遮断してくれる。
高速の直進性も優れていて、新採用の電動パワーステアリングの手応えも実に自然である。レーンチェンジではそれなりにロールを伴うが、決して不安を感じることはないし、ロールの収まりもいい。
225/50R18を履くアエラス“Sパッケージ”の3.5リッターは、ステアリングのフィーリングがさらにしっかりしていて、直進性も一段上のレベルだ。試乗車にはエスティマ仕様にチューニングがされたミシュランMXV8が装着されていたが、ロードノイズの低さや真円度の高さ、そして、優れたショックの遮断性により、インチアップのデメリットはさほど感じられなかった。
気になったのは2列目の快適性だ。17インチ、18インチともに、リアタイヤが発するロードノイズや、リアタイヤから伝わってくる振動が無視できないのだ。とくに今回の目玉ともいえる7人乗りモデルで、2列目ロングスライドシートを後方に下げてしまうと、さらに顕著になってくる。走行中はなるべく2列目を前の位置に、というのはなんとも皮肉である。そうはいっても、2列目、3列目ともにゴツゴツした乗り心地だったり、突き上げが感じられたりすることはなく、十分快適なレベルに収まっている。
ということで、いくつか気になるところはあったものの、総合的には実によくできたミニバンの新型エスティマ。直接乗り比べると当然3.5リッターがより魅力的だが、2.4リッターでも十分な性能で、私なら2.4リッターの前輪駆動、使い勝手を考えて7人乗りというモデルを選びたい。唯一残念なのは、最もベーシックなXでは“サイドリフトアップシート装着車”以外の普通の7人乗りが選べない。装備充実のGを売りたいのはわかるが、ぜひ安価な7人乗りモデルを用意してほしいものだ。
(文=生方聡/写真=郡大二郎/2006年2月)
【Movie】サードシートが床下に格納されるさまが見られます。