アルミフレームのおかげで、もともと1500kgジャストと軽かった車重は、1440kgにまでダイエットしている。その一方で、脱着式だったルーフを固定とし、サスペンションマウントは溶接から鋳造に変えるなど、剛性アップもぬかりない。たかが1グレードのために、ここまでするとは。
1440kgという数字は、最近デビューしたスポーツカーでいえば、BMWの「Z4Mロードスター」とほぼ同じだ。そこに排気量で2倍以上の7リッターエンジンを積んでいる。逆サイドから見ると、世にあまたあるオーバー500psのスポーツカーで、車重が1.5トンを切るのはほとんどない。
いろいろな自動車に乗って原稿を書く仕事を20年も続けているから、だいたいのクルマはスペックを見ただけで、どのぐらいの加速をするかがわかる。でもZ06に限っては、比較対象がなかった。だから予想がつかないまま、そのコクピットに身を置くハメになってしまった。
そこはフツーのコルベットとあまり変わらない。Z06のロゴが入ったシートは左右の張り出しが大きく、ステアリングがやや小径になり、スピードメーターは300km/hまで刻まれているが、内容を考えればあっけない空間だ。
エンジンも、たとえばアストン・マーティンみたいに、掛かった瞬間に猛々しい唸りをあげたりはしない。クラッチがまた、性能を考えれば異例に軽い。6段MTのシフトレバーをローに導き、まずはアイドリングのままクラッチをミートし、ゆっくりアクセルを踏んで様子をみる。(後編につづく)
(文=森口将之/写真=高橋信宏/2006年7月)
・シボレー・コルベットZ06(FR/6MT)(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018393.html