しかし、改良されたGSに乗って、実は僕はついオーストリアで乗ったLSを思い出していた。ISの、特にバージョンLも含めて、その根底にあるのは、無用に刺激的ではない柔らかなタッチであり、しかもそれを、確固たるスタビリティやレスポンスと両立させるということなのだろう。今回の改良では、まさにそうした芯の部分が浮かび上がり、レクサスの目指す方向がハッキリ見えた気がしたのだ。そして逆にLS460の良さにも、改めて気付くことができたのだ。
もちろん、その乗り味に好き嫌いはあるだろう。特にドイツ車に乗り馴れた人には、最初の印象として薄味に感じられる可能性もある。しかし、ブランドに大切なのは、独自のしっかりした世界を築くことだ。従来、そこがやや弱く感じられたレクサスだが、LSの登場を前に宿題をしっかりこなしてきた。今回の一部改良は、そういう意味で、実はとても大きな意味を持つものだと感じられたのである。
(文=島下泰久/写真=高橋信宏/2006年9月)
・レクサスGS430/IS350バージョンS/IS250バージョンL/SC430(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018624.html