せ:3リッター級の2台に続いて、最後はコンパクトカーの「ルノー・ルーテシア」。しかも、3ドアのMTモデルです。
コ:こらまた、極端なんにしたなぁ。ATモデルよりも20万円安い、189万8000円。スポーティなクルマでもないし、MTは価格競争上の戦略モデルっていうヤツやね。
せ:「ルーテシア」は、2006年欧州カーオブザイヤーの受賞車。ある意味、いまのフランス車の顔じゃないですか。
コ:先代「ルーテシア」も受賞してるから、2代つづけや。モデルチェンジで、すっかりオトコマエになったよな。内装の質感も格段に上がった。
せ:ただ、「クーペ407」「C5」の2台に比べれば、“どこかで見たような感じ”が漂いますね。
コ:いわゆる大衆車で、グローバル化の旗振り役やから、それはしゃぁない。代わりに色を13色も用意したり、気も遣ってるんやろ。でも、ルノーらしさはちゃぁんと残ってるで。
せ:「すっかり変わった」のにですか?
コ:見た目じゃナイねん。走ってるとき、そこかしこに感じられる「シッカリ感」な。安いクルマやのに、安っぽないやろ? ドッシリ感てゆうか、奥の深い安心感がある。電動パワステのフィーリングには馴染まれへんけど……。
せ:センターに戻ろうとする反力が強いですね。もっとも、これはフランス車の特徴ではないでしょうけど。
コ:そうそう、「フランス車」な。いまや、「ルーテシア」みたいなグローバルカーから「C5」みたいな個性派まで、いろいろあるわけやし、「フランス車らしさ」でひとくくりするのも、ナンセンスなんかもなぁ。
せ:いっぽうで、工夫はさまざまですが、どれも乗り心地や快適性へのこだわりは感じます。コンパクトなルーテシアですら、シートの感触はとてもいい。もちもちした独特のクッションで、長時間乗っても快適です。
コ:「プジョー・クーペ407」と「シトロエンC5」も、気付くと話題は快適性や。「快適に遠くまで」が、共通したキャッチフレーズかもな。
せ:それこそ最高じゃないですか。クルマなんだから。市場に反映されていないのが不思議ですね。
コ:乗り心地は、スペックでは表現しきれへんからな。料理のウマさ、ベッドの寝ごこちと同じ。自分で触れて味わってみることでしか、その良さがわかりにくい。
せ:多くのクルマに試乗している自動車ジャーナリストにフランス車好きが目立つのも、そういう理由でしょうか。
コ:まぁ、試してみる価値はあるんやないかな? ヒョンな機会に乗ってみたら、案外ハマってしてしまうかもしれんよ。
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=峰昌宏/2006年11月)
・フランス自動車メーカー合同プレス試乗会(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018753.html