webCG
日本経済新聞 電子版

 
サイトマップ
RSS
メールマガジン



トップインプレッション(リスト)フォルクスワーゲン・ゴルフワゴンGLi(4AT)/ポロ4Dr/ポロGTI【短評】 (00.10.15)
インプレッション
【スペック】ゴルフワゴンGLi(4AT):全長×全幅×全高=4400×1735×1490mm/ホイールベース=2515mm/車重=1340kg/駆動方式=FF/2リッター直4SOHC8バルブ(116ps/5200rpm、17.3kgm/2400rpm)/車両本体価格=275.0万円
『合理主義とバウハウス』


VWゴルフワゴンとニュー・ポロの復習

フォルクスワーゲン総合試乗会から、2000年に国内で販売開始となったモデルの試乗報告。2月に導入されたゴルフIVベースのワゴンと、5月にリリースされた新型ポロに、web CGエグゼクティブディレクター大川 悠が乗ってきた。




【ゴルフワゴン】
ゴルフワゴンは、2リッターSOHCの「GLi」と、新開発オールアルミ1.6リッターSOHCを搭載する「E」の2種類。価格は、275.0万円と245.0万円。

ジャガイモとパン、コールドミートゴルフワゴンGLi……275.0万円
まずゴルフワゴン。ゴルフIIIベースの従来モデルはなぜかグリーンばかりが目に付くし、いずれもどこか「貨客兼用車」の感じが強い。IVベースの新型も基本的にその流れを受け継いでいる。ただ、ハッチと同様に、半分ぐらいクラスを上げた。

世界的にスモールカーは世代交代とともに少しずつクラスが上がり、そんなことをしているうちに下が空いて、そこに別の新モデル投入という流れができている。それをやった張本人がゴルフ。4代目ともなると、初代のパサートぐらいまで大きく立派になったが、それはワゴンも同様だ。

乗ったのは上級仕様の2リッターユニットを持ったGLi。エンジンからは、ゴルフの家族の声だった独特の唸り音がかなり消えて洗練されたし、乗り心地も大分まろやかになった。ステアリングも軽い。
室内も、カローラほどじゃないけれど、というよりカローラとは違った方向で高級感を出している。つまりカローラが材質からフィッティングまで「小さなセルシオ」であるのに対して、ゴルフはプラスティックはそれなりの素材感を生かした造形をすべきだという点で、やはりドイツ流近代主義が生きている。
ワゴンとしては、当然うまくできている。広くて使いやすいカーゴスペースが四角四面にセットされているが、しかし、リアシートを畳んだりしようと思うと、予想以上に腕力を要求される。つまりドイツ人はやっぱり頑強なのだ。

ともかく全体的に洗練されたが、やっぱりドイツの合理主義の固まりの感じは免れない。年齢性別関わらず、毎晩同じ、ジャガイモとパン、コールドミートだけの質素なメニューの夕食を食べて、10時前には寝てしまう。そして休みは毎回飽きもせず同じ森を歩く。そんな生真面目のドイツ人のライフスタイルをそのままワゴンの形にしたクルマだった。



【ポロ】
ポロには、1.4リッター(75ps、12.8kgm)、1.6リッター(125ps、15.5kgm)、いずれも新開発オールアルミ・ツインカムユニットが搭載される。前者には、2Dr(175.0万円)、4Dr(195.0万円)、そして電動キャンバストップをそなえた「オープンエア」(205.0万円)、後者にはGTI(220.0万円)がラインナップされる。右ハンドルのみ。

【スペック】
ポロ4Dr(4AT):全長×全幅×全高=3750×1660×1425mm/ホイールベース=2410mm/車重=1070kg/駆動方式=FF/1.4リッター直4DOHC16バルブ(75ps/5000rpm、12.8kgm/3800rpm)/車両本体価格=195.0万円

清潔な倫理観ポロ4Dr……195.0万円/ポロ4Dr GTI……220.0万円
ゴルフが上に上がれば下が空く。そこで入ったのが先代ポロだが、それも新型ですこし上に行って、まあ2代目ゴルフぐらいのサイズと格になった。そうなるとまた下が空くから、そこにルポが入るというわけ。としたらルポも上に行ったらどうするんだ、という話はピエヒさんに聞いて下さい。

2台乗ったポロ、1台は一番売れ線の1.4リッターモデル「ポロ4Dr」(4AT/195.0万円)、もう1台はやはり4ドアながら1.6を積むスポーツハッチのGTI(5MT/220.0万円)。

個人的にはスペシャルモデルでないノーマルが好き、と書くと、必ずラインアップの一番小さなエンジンのモデルとか、廉価版がいいと主張するのが自動車ジャーナリストの自己証明と思われそうだが、リポーター自身はミーハーの飛ばし屋オジサンだから、いつもはそうじゃない。
でも今回はノーマルの4Drがいいと思った。
理由はひとつ。スポーティハッチが欲しいなら、やっぱりラテン物がいい。徹底的に快楽主義でいい。お気軽で、だからそれなりに奥が深いのがいい。でもドイツものは、真面目な人が無理矢理軽いノリで受けようというのが見えていて、なんかそぐわない。
スポーツハッチの元祖であり、その社会的地位を最初に築いたのが初代ゴルフGTIであることを認めても、ポロのGTIには「馬鹿になりきれない気取り」がある。

ノーマルの1.4、GTIの1.6とも新設計のオールアルミユニットで、あの「ウォーン」という唸りは消えたが、だからといってすごくスポーティなエンジンじゃないから、1.4リッターをATで乗った方がいい。
ポロ4Drは、妙に軽いステアリング。ちょっとストロークがあって、慣れないとコントロールが難しいブレーキ。基本ボディはしっかりしているが、荒れた路面ではスカットルの中あたりで、何かがガタガタ音を出し、まるで剛性が足りないような錯覚を出すのが、すこし興ざめだった。

GTIは確かに「速い」「安定している」「コントロールしやすい」と、まあ優等生だが、何となくハートがない。
それならゴルフIIぐらいまで大きくなり(少なくとも室内は)、全般的に洗練されたノーマルの4ドアの方がいい。リポーターなら、ゴルフを買うよりも、実質的な利便性はそう変わらないこのポロを買うだろう。理詰めだけでなく、インテリアデザインもノイエ・バウハウスともいうべき新モダニズムに統一されていて、その清潔な倫理観がいい。

(web CG 大川 悠)


RSS
この記事をLinkedInに追加
この記事をmixiチェックに追加
この記事をフェイスブックに追加
この記事をtwitterでつぶやく


関連記事
フォルクスワーゲン
インプレッション フォルクスワーゲンCC 1.8TSI(FF/7AT)【海外試乗記】
ニュース 「VWシロッコ」にレカロシートを装着した限定車
ニュース VW、次世代プラットフォーム「MQB」を発表
ニュース VW、「up!」に5ドア版を追加
ニュース VWが12年連続で輸入車販売1位に
インプレッション フォルクスワーゲン・ティグアン スポーツ&スタイル(4WD/7AT)【短評】
ニュース 「VWゴルフ」に初のアイドリングストップ装着車
ニュース 欧州勢はハイブリッドとオープンで攻勢【デトロイトショー2012】
ニュース 「ザ・ビートル」ベースの2シーターEV登場【デトロイトショー2012】
カースコープ デトロイトショー2012(その1)

ゴルフ・ワゴン
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントTSIトレンドライン/TSIコンフォートライン【試乗速報】
ニュース 「ゴルフヴァリアント」が最新のゴルフ顔に
ニュース ジェッタとゴルフヴァリアント、7段ギアで燃費向上
ニュース 「VWゴルフ」、TSIエンジン+7段DSG搭載のワゴンモデルも登場
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントTSIコンフォートライン(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント2.0TSIスポーツライン(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントTSIコンフォートライン(FF/2ペダル6MT)/2.0TSIスポーツライン(FF/2ペダル6MT)【試乗速報】
ニュース VWゴルフのワゴン版、「ゴルフヴァリアント」発売
ニュース 「VWゴルフヴァリアント」、ジュネーブで発表【ジュネーブショー07】
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフワゴンGT プレミアムパッケージ(5AT)【ブリーフテスト】

ゴルフ/ゴルフヴァリアント
ニュース VW、次世代プラットフォーム「MQB」を発表
ニュース 「VWゴルフ」に初のアイドリングストップ装着車
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフTSIトレンドライン プレミアムエディション【短評】
ニュース VW、「ゴルフGTI」35周年記念モデルを発売
ニュース VWゴルフヴァリアント、装備がさらに充実
ニュース VW、「ゴルフ」の装備と価格を一部変更
インプレッション フォルクスワーゲン・ゴルフGTI エディション35(FF/6AT)【海外試乗記】
ニュース 「ゴルフGTI」の35周年記念車、今夏欧州で発売
ニュース 「VWゴルフGTI」が「アディダス」とコラボ
ニュース VWゴルフシリーズ エコカー減税車拡大



スポンサード リンク

週間アクセスランキング(インプレッション)
2012/02/05〜2012/02/11
注目の情報 [PR]