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ルノー・クリオスポールV6(6MT)【短評】
(01.06.19)
インプレッション
【スペック】全長×全幅×全高=3803×1810×1365mm/ホイールベース=2510mm/車重=1335kg/駆動方式=MR/3リッターV6DOHC24バルブ(230ps/6000rpm、30.6kgm/3750kgm)/車両本体価格=498.0万円(オートトレーディング・ルフト・ジャパン:Tel.0120-63-1577)
■
『野心を秘めている』
ルノー・クリオスポールV6(6MT)
……498.0万円
名手J.ラニョッティによって、1981年のモンテカルロラリーを制したルノー・サンクターボ。あれから約20年の歳月を経て、“モンスター”の精神は、サンク改めクリオの背中に3リッターV6を搭載したクリオスポールV6に受け継がれた。『webCG』エグゼクティブディレクター、大川 悠が、スーパー(カー)コンパクトに乗る。
1998年のパリサロンでプロトタイプが発表されたクリオV6。
シーケンシャルシフトのレースカーとは異なり、市販モデルの6段MTは、H型のコンベンショナルなもの。足もとにアルミペダルが見える。
3リッターV6は、リアシートがあった場所に横置きされる。
■
気取った商品
1980年代にWRC(世界ラリー選手権)に勝とうと、ルノーとアルピーヌはちっぽけなFWD(前輪駆動)ハッチのサンクからリアシートを外し、そこにターボ付きのハイチューン・エンジンを載せてしまった。このサンクターボ、無理矢理やった仕事だから、というか競技狙いだったから、どでかいラジエターがサイドにはみ出して幅が倍近くに思えるほど広がったり、なんだか真っ当なクルマに見られなかったけれど、あれはあれで痛快だった。
時は経て、サンクはクリオへと代替わり、そこに登場したのがサンクターボの後継たるクリオスポールV6である。やはりリアシートを追いやって載せられたのはラグナなどにも使われる3リッターV6。これをリミット7000にチューンして230psと30.6kgmを得ているが、今回はターボはなし。
ギアボックスは6MT。専用の前後ストラットのサスペンションを持つ。エアダムやオーバーフェンダーで相変わらず武装されているが、サイドのラジエターの張り出しなど、大分抑えられている、というより商品的に随分洗練されている。
それがクリオV6の性格を規定していた。要するにオリジナルの(?)破天荒な乗り物から、かなり大人びて気取った商品になってしまった。
■
レーシーだしトリッキー
だからすごく乗りやすい。クラッチはあっけないほど軽く、ステアリングも繊細。豪華なスポーツシートゆえに、町中でも気持ちがいい。ターボを失ったV6は全域フラットトルク型で、2000以下でも楽々使えるから、横着な運転さえ受け付ける。さすがに前205/50、後ろ235/45という17インチのミシュラン・ピロト・スポールは、首都高の継ぎ目などでピシッとくるが、でも全体的に乗り心地はいい。ともかくマイルドだ。
床下ではやたらと排気音がうなっているが、頭のすぐ後ろにあるエンジンからは、機械的な音はあまり聞こえず、昔みたいにエンジンを運んでいる印象も少ない。
でも、バカにしちゃいけない。その気になって飛ばすと、やっぱりレーシーだしトリッキーだ。回転の上昇とともにエンジンに気合いが入ってドライバーを鼓舞するが、一方でハンドリングはかなり繊細になってくる。なんだか前輪荷重が足らず、一方でV6の重心高が高いような感じだから、高速になるとスタビリティより俊敏性が出てくるし、ワインディングではきれいにロールするものの、その後のしっぺ返しが怖くなる。でも、そういうときにレスポンスのいいブレーキは大いなる救いだ。
大分おとなしくなったふりして、結構野心を秘めている。それでも昔を知っている人間からするとやや物足りないのは、時代のためか?
(文=大川 悠/2001年6月)
クリオV6の市販モデルは、TWRのウッデヴァラ工場でアセンブリーされる。
ノーズ部分に、67リッターのラゲッジルームが用意される。
「0-400m=14.5秒」「0-100km/h=6.4秒」「最高速度235km/h」
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