ミニバンでありながら、SUVに迫る悪路走破性を持つというのがデリカの特徴だ。この伝統は、2代目の「デリカスターワゴン」に4WDモデルが追加設定されたことから始まった。ちなみに、そのとき採用された4WDはパジェロと同じシステムだった。
もちろん、そんなSUV的な性格は、現行のデリカD:5にも受け継がれている。現行デリカの4WDは、パジェロのセンターデフ式ではなく、アウトランダーと同じ電子制御カプリング式を採用……、正確にはプラットフォームが、パジェロからアウトランダーと共通化された。こうなると「ミニバンの皮を被ったSUV」、現代風に表現すれば「ミニバンとSUVのクロスオーバー」というのが、デリカD:5なのである。
電子制御カプリングの4WDは、通常はFFに近い特性を持ち、必要とあらば電子制御カプリングを介して後輪にトルクを伝えるというものだ。そのため“オンディマンド4WD”と分類されることもある。リアにどのくらいトルクを配分するかは、4WDシステムのコンピューターが4輪の車輪速やドライバーの運転操作などから総合的に判断する。同じオンディマンド式でも、ビスカスカプリングなどを用いたタイプをパッシブ型と呼ぶのに対し、デリカの電子制御カプリング式はアクティブ型と呼ばれることもある。
電子制御カプリングは、電磁コイルに流す電流をコントロールすることで、リアに伝えるトルクを調節するもの。電流をゼロにするとリアのトルクはゼロ、すなわち、FFの状態になるし、反対に電流を強めれば、直結(ロック)に近い状態をつくることもできる。ドライバーがスイッチ操作でFFやロックの状態を選ぶことも可能だ。

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