アウディ「TTクーペ」や「R8」といった2シーター、もしくはそれに準じたモデルを除けば「このところご無沙汰」だったのがアウディのクーペ。
しかし、自らプレミアムカーメーカーを謳うアウディとしては、それではメルセデスやBMWとの対抗上もウマくない、と思ったのかどうか……。とにかく、この期に及んで久々のリリースとなったフル4シーターを備えるクーペが、「A5」とそのスポーティバージョンである「S5」。
ちなみに、このメーカーから“オリジナル・クワトロ”と称される2ドアクーペが初めて世に送り出されたのは、今を遡ること27年も前の1980年のハナシだ。
そんな最新クーペのデザインを手掛けたのは、同社の日本人デザイナーであるワダサトシ氏。だから「同胞のよしみ」という贔屓目でもないが、例によって“シングルフレーム・グリル”をその顔付きとして備えたそんな最新アウディのたたずまいは、流麗かつ端正でなかなか美しい。
しかし、ルックスの裏には、エンジニアリング上の大きな秘密が隠されている。
フロントアクスルのレイアウトに大きな変更を施し、エンジン本体に対する前輪位置を、「A4」や「A6」に対して100mmレベルで前進させているのだ。ホイールベースは、106mm長い2751mmになった。