「スバル・インプレッサ」の新型を前にしたスバル・ファンは、複雑な気持ちだろう。
スッキリとしたフォルム。滑らかなルーフライン。サイドのパネルには緊張感があるし、リアのコンビネーションランプにLEDが採用されたのも新しい。フロントまわりは少々煩雑だけれど、「写真で見るよりずっとカッコいい」と嬉しく思うヒトは多いはず。一方、ななめ後ろから見た場合、これまた写真以上に「BMWに似ている」と、残念に思うヒトが多いかもしれない。
3代目のインプレッサは、国内では5ドアのみのラインナップとなった。セダンは北米市場専用なので、新型の名称は「インプレッサスポーツワゴン」改め「インプレッサハッチ」、ではなく、シンプルに「インプレッサ」を名のる。
“ハッチバック”(とは呼んでいないが)の人気が低迷して久しい日本市場で大胆な試みだが、車型を絞ることで「スタイリッシュなイメージを築きたい」とスバルはいう。インプレッサをして、一部の熱狂的なファンから、より一般的な消費者の興味を惹くクルマにしたいのだ。
もちろん顧客獲得のもくろみはあるわけで、「興隆を誇るミニバンユーザーを取り込めるのではないか」と期待する。子育てを終えたご夫婦が日常のアシとして、大型車の所有層がダウンサイジングの波にのって、「本来、合理的なカタチである5ドアに戻ってくるのではないか」と。
実際、先代インプレッサも、販売の主力は“ハンドリングマシン”のセダンではなく、実用的なスポーツワゴンだったから(それもかなり圧倒的に)、富士重工の「限られた経営資源を集中する」という考え方に立てば、まずはハッチバック1本に絞ったのは正しいといえよう。