「ブレイドマスター」が良くできたプロダクトであることは理解できるものの、何を訴えたいのかいまいちわからないのだった。それは、狙いがはっきりしている(しすぎている?)「マツダスピード・アクセラ」に乗って試乗会に出掛けたからだろう。このクルマ、エクステリアからインテリア、そしてエンジンルームから足まわりにいたるまで、いたる所に「スポーティ」と大書してあるかのようなわかりやすさを持っている。
室内には少しくぐもった重低音の排気音が満ち、ずっしり手応えのあるステアリングホイールを握り、がっちり重いクラッチを踏み込んでギアを1速に入れる。そうするともう、走り出す前なのに「おいらヤル気だぜ」というムードがびんびん伝わってくる。走る前から主張する、ってことはつまり、それだけ主張したいことが多いことの現れだ。
すぐ慣れるけれど最初はちょっとミートポイントがつかみにくいクラッチを慎重に操作してスタート、エンジンは意外と温和な性格で、乗り手を油断させる。ところがどっこい、3500rpmを超えるとターボユニット特有の前方に吸い込まれるワープ感覚が襲う。ヘビーウェットの路面でも、シャシーは2.3リッター直4ターボが発生する最高出力264psと最大トルク38.7kgmを見事に使いこなし、フル加速してもDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)が出動することもない。
「料金所からの加速で、回転を上げてドンとクラッチを繋いだらホイールスピンするばかりで前に進みませんでした」と、同行したNAVI編集部の吉岡卓朗記者は口をとんがらせるが、よい子のみなさんはそういうことをしちゃいけません。
市街地、高速道路を問わず、乗り心地は基本的にハードで、特に路面がシワシワになった山道なんかの乗り心地はオジサンには結構ツライ。だけど、山道はおろか、街角でくるっと曲がるときでも軽快で面白い。面白いけどツライ、だからオモツライ……、ってどこかで聞いたようなセリフ。それはさておき、このクルマは乗っている人を楽しませたいんだな、ということがよーくわかるのだった。

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