いつもの場所で待ち構えていた「ホンダS2000」を見て、私は一歩ひいてしまった。“ニューフォーミュラレッド”の鮮やかなボディもさることながら、巨大なリアウイングとド派手なフロントスポイラーが、サーキットから、あるいはカスタムカーショーの会場から抜け出てきたという雰囲気で、これがカタログモデルなのだから、ホンダも思い切ったことをするものだ。
2008年モデルに進化したS2000に追加されたバリエーションがこの「タイプS」だ。エンジンは標準モデルと同じだが、高速域では空力を見直すことで安定感を高め、また、低中速域ではサスペンションをよりシャープな味付けとして、ワインディングロードのあらゆるコーナーで楽しめる性能を目指した、スポーティバージョンである。
特徴的なエクステリアは風洞実験や実走行テストによって最適化されたデザインで、前後タイヤの前に“ストレイキ”と呼ばれる小さなついたてを置くなどして空気抵抗を抑えつつ、ご覧のとおりの前後スポイラーなどにより空気の力でボディを路面に押しつけるのが特徴だ。リアスポイラーの中央が持ち上がっているのは、オープン時、クローズ時ともに効果を得るための工夫らしい。