「RS」。多くのクルマ好きが、レーシング・スポーツの頭文字だと思うだろう。とくにホンダには、すでにタイプRやタイプSが存在しているわけで、どうしてもそういう発想になりがちだ。
しかし新型「フィット」の1.5リッターが名乗るRSはロード・セイリングの略。誤解を避けるためにカタログや広告にも“ROAD SAILING”の注釈がついている。ハイウェイをゆったりクルーズするモデルというわけだ。
ホンダがこの名称を使うのは初代シビック以来。当時のRSに乗った経験を簡単に記せば、エンジンはフラットトルク、トランスミッションはハイギアードで、たしかに巡航仕様だった。
そんな記憶を思い浮かべながら、フィットRSで東京から富士五湖までを往復した。しかもシリーズ唯一の5段MT仕様。レーシング・スポーツ風味を微妙にまぶしたロード・セイリングか? と期待して走り出したが、結論はどっちつかずの乗り物だった。
フィットは卓越したパッケージングを使いこなすことによろこびを感じるクルマ。つまり1.3リッターのCVTこそ本来の姿だと思った。だからこそRSには、もっと明確な性格づけを望みたい。