熱狂的“マセファン”(?)の方には申し訳ないけれど、ボクはこのブランドに特別な思いを抱いたことがなかった。要因のひとつが、自身には金輪際縁のなさそうな車両価格にあったのはもちろんだが、正直なところ、これまで経験したモデルの走りのテイストが、どうももうひとつ個人的な好みとは相容れないものであったからだ。
たとえば、かつての「クーペ」もそうだったし、「クアトロポルテ」もそうだった。どれもボディやシャシーのしっかり感が、自分の中での期待値に届いていなかった。「今やフェラーリの“親戚”なんだから、走りもそれに準じて当然」と、無意識のうちに思っていたのかもしれない。というわけで、言葉は悪いが「何だか粋がった見た目のわりに……、カッコ負け」といったイメージが僕の心の中にできあがっていた。が、そんなネガティブさにズバリ終止符を打ったのが今回乗ったグラントゥーリズモだ。