クルマのダウンサイジングが叫ばれるようになって久しい。最近は、ガソリンの高値が引き金になって、ようやくあのアメリカでも小さなクルマへシフトする動きが見られるし、日本でもコンパクトカーや軽自動車への人気がますます高まっている。理由はともかく、結果としては悪くない。
しかし、クルマ好きにしてみれば、より小さなクルマが、楽しさを見いだせるものばかりとはいいがたい。理性ではダウンサイジングの必要性を感じながらも、なかなか行動に移せないのは、クルマのほうにも少しは責任があるのではないか?
その点、“チンクエチェント”、すなわち、フィアット500は理屈抜きにダウンサイジングが実践できる逸材だ。意地悪な言い方をすれば、フィアット・パンダに高価な厚化粧を施しただけのクルマだが、それで大きなクルマからフィアット500に乗り換えようという気にさせるのだから、やはりイタリアンデザインの力は偉大である。
ダウンサイジングやエコは理性に訴えるだけではなかなか進まない。感性に訴えるプロダクトでその気にさせる。フィアット500はそのよいお手本といえる。