新しいランボルギーニ・ガヤルドは、V10の排気量が5リッター(500ps)から5.2リッター(560ps)になったのがトピックである。サブネームはLP560-4。560は最高出力、-4は4WDの意。なぜいまさらヨンクを表明するのかは、問わない約束だ。
プレス試乗会は北米ラスベガスで開催された。試乗前夜、「ショーケース・ディナー」に招かれた。イベント用の大きなテントの前でカクテルパーティ。白と黒、2台の新型ガヤルドの横で、ビスポークスーツできめたS・ヴィンケルマン社長がジャーナリストたちと歓談している。
見知ったテストドライバーの人がいたので、「エンジンが大きくなったそうで……」と水を向けると、マッチョな彼は完爾と笑い、
「それだけじゃありませんよ。サスペンションも変わりました。スプリングも、ダンパーも、スタビライザーまで一新されました」と応える。
「ハンドリングをブラッシュアップした?」
「それもありますが、むしろ乗り心地に留意しました。快適性に」
なるほど。ラスベガスの路上で見せびらかすのにピッタリですね、と言うと、口もとの笑みが大きくなった。
ただ、軟弱になったと取られると困ると思ったか、ロボタイズド6段MTたる「eギア」に「ノーマル」「スポーツ」の上を行く「コルサ」(レースモード)が加わったことが強調された。
「シフトが40%も早くなりました」
しかし、日本のユーザーにとってより気になるのは、「ノーマル」「スポーツ」と、2段階が用意されるオートマチックモードのスムーズさだろう。
白いテントの入り口に、もうひとり知り合いのドライバーがいた。挨拶の後、新旧モデルがテストコースでどのように違うのかを聞きたいと思って、「サーキット……」と口にしたとたん、「今度のガヤルドは、ニュルブルクリンクで開発したんだ」と細身の彼は言葉をほとばしらせた。
「ノルド、でね」。
意味ありげにニヤリとして、胸を張る。いまさらニュルを自慢されても……とは露とも思わない。だって、ランボルギーニだもの。
「どれくらい速くなったんですか? つまり、5リッターモデルと比較して」
「そう、6〜7秒……」
「それはすごい!」。熱心にメモするリポーターを見て、いや、10秒くらいかな、と言って片目をつぶった「ホープフリィ(願わくば)」
スタッフの人に促されて食事の席に着く。無粋な(?)技術説明は明日の朝ということか、まずはファッショナブルなイメージフィルムがテントの壁に投影される。スクリーン上を疾走するガヤルドのサウンドがやけにリアルだなぁと感心していたら、大きなテントのまわりを、白と黒のガヤルドがグルグル回っていた。なるほど、それでドライバーが2人いたわけか。