「フリード」は、いわゆる5ナンバーサイズの小型ミニバンで、外寸はコンパクトながら内容を充実させ、使いやすさを追求したクルマだ。
従来の「モビリオ」も狙いは同じ。しかし、欧州の路面電車をイメージしたクリーンなスタイリングの評価は高かったものの、若いユーザーが欲する刺激は、少々物足りなかった。そんな反省に立ってか、今度は「インスパイア」でも試みられた攻撃的な目元や、斜めの曲線を多用した躍動的な面構成を特徴とする。
見た目の安定感を求めるには、水平垂直の直線的なデザイン処理も有効だが、不安定要素の多い現代の世相を反映して(?)、卯浪をかきわけて進むには、このくらい強い主張も必要というわけだ。
空力特性改善のため大きく寝かせたウィンドウとノーズの一体化は、燃費対策という時代の要請でもある。
外観同様、室内も大きく変わった。広いウィンドウゆえに広くなったダッシュボードの棚は、2段階に高さを分けることにより冗長さを無くし、さらに広々と見せることに成功している。
狭い駐車場などでは、片側に寄せて停め、リアのスライドドアを使って乗り降りする方法が定着しつつある。そんな時に便利なウォークスルー用の「廊下」の確保も特記事項だろう。動力や駆動系のメカを前方に小さくまとめたFFシャシーにより、キャビンの容積を大きく採り、無理のない3列シートが設定されているのも、フリードのウリ。
シートレイアウトは、5人乗りだけでなく、7人乗りと8人乗りも選べる。ついでに言えば、法規上9人乗りにして、チャイルドシートの設置場所を確保し、夫婦ふたりと双方の両親4人、さらに子供3人という家族を一気に運べるようにして欲しいところだ。フロントをベンチシートにすれば、人が乗らなくても小物の置き場として便利な空間となろう。そんな可能性も考えられるほどに、有効スペースの大きさは魅力といえる。