ビッグ3の日本法人は、どこも腹をくくったビジネスを展開している。その姿勢はまるで「じゃ、路上を走るクルマが燃費自慢のいい子ちゃんばかりになってもいいんですか?」と言わんばかり。そう言われたら我々としても「それはちょっと寂しいかも……」と答えざるを得ない。
彼らは日本でベストセラーを目指すつもりはない。数は少なくとも、いつの世も必ず存在する需要にしっかり応えていこうとしているのだ。だからこそ、このご時世にもかかわらず、大きなボディを大排気量で動かすモデルを選んで輸入する。
その戦略を最も明確に打ち出すのがフォード・ジャパンだ。同社は昨年だったか「フォーカス」や「フィエスタ」といったヨーロッパ製モデルの輸入をやめた。代わりに「エクスプローラー」「エクスプローラー・スポーツトラック」「エスケープ」というSUVの3モデルと「マスタング」に絞って輸入する。
一見、開き直りにも見えるこの戦略は、フォーカスやフィエスタには日欧のガチンコライバルがひしめき合うが、V8を積むわりに安価なエクスプローラーやマスタングには競合車種が少ないという、実は周到な計算によるものだ。
そのフォード・ジャパンが、SUV3モデルの試乗会を伊豆のオフロードコースで開いた。コース設定は、あたかも「あなたのクルマでこんなところ走れますか?」とでも言いたげ。その挑発的な提案に、ここはひとつ思い切りのっかって、まずはエスケープでコースインした。