2008年5月のニュルブルクリング24時間で、SP8クラスに参加したV8ヴァンテージN24は、見事にクラス1-2-3を占めるという快挙を成し遂げた。
ウルリッヒ・ベッツCEOも昨年に引き続きV8ヴァンテージN24で参戦し、そちらの7号車もクラス3位に入賞したのだが、ベッツさんは今年なんと65歳を迎えるという。世界中でここまで気持ちの熱い自動車メーカーのCEOが他にいただろうか? そうしたCEOの姿に鼓舞されて、社内の士気はこれまでになく高く、それは製品にも確実に反映されているとアストンのスタッフは言う。
なぜ、こんな書き出しで始めるかというと、V8ヴァンテージの試乗会に招かれたわれわれ日本人ジャーナリストも、24時間レースをスタートからフィニッシュまで存分に観戦する機会を与えられ、好運にも勝利の美酒のお裾分けに浴することができたからだ。
ニュルブルクリング・サーキットの近くには自動車関連のヴィレッジ・インダストリーがあり、そこにアストン・マーティンは新規にテストセンターを開設したばかりで、われわれが現地入りした日がちょうど“こけら落とし”に当たった(われわれは数時間の差で間に合わなかったが)。テストセンターの目的はショールーム機能としての新車の商談はむろんのこと、車両メインテナンス、それも軽整備のみならずニュルを走るようなハイエンドな顧客向けのサーキットサービスまで担当し、ご希望とあらばガレージスペースも提供してマシーンを預かってくれるという。また、ここでは広報車の貸し出しも行なうので、ドイツで試乗会が催された際には重要な拠点として今後われわれも世話になる機会が増えるはず。
それだけに気持ちも新たに臨んだのであろう、“ニュル24時間”での快挙は、アストンのスタッフにとっては喜びもひとしおだったらしく、祝賀会では誰彼かまわずにハグし合い、歓声を上げ、若い女性スタッフ数人が不思議なダンスを踊りまくり、涙ぐむ人もあり、皆が気持ちを爆発させていた。
ベッツ政権も7年が過ぎて、同氏が牽引役として、アイコンとしてアストン・マーティンを率いてきたその成果が花開こうとしている瞬間に、われわれも運良く居合わせていることを実感させられた。なにもレースに限ってのことではない。それはビッグマイナーチェンジを受けたV8ヴァンテージの仕上がりから確かな手応えを感じ、それを踏まえた上で述べていることなのだ。

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