東京モーターショーには、「エクシーガ」の名を冠するコンセプトカーが実に3回も出展されている。初出はというと1995年の「α-エクシーガ」までさかのぼる。2ボックス3列シート車という同様のコンセプトで生まれた「日産プレーリー」「三菱シャリオ」が、名前を変えつつミニバン化していくなか、「エクシーガ」は10年以上前のコンセプトそのままで世に放たれたわけである。それは時代遅れのクルマなのか? 今回の試乗では、ミニバン全盛の現代におけるエクシーガの存在価値を考えさせられた。
まず、2ボックスボディはモノフォルムミニバンよりも、安全運転におけるメリットが多く享受できると感じた。自動車教習所の多くがスタンダードなセダンを教習車として使っている現況で、このドライビングポジションと視界は、万人が運転しやすいと感じるものだろう。昨今話題にのぼることの多い燃費に関しても、トールミニバンよりは、全面投影面積が小さいクルマのほうが有利なはずである。
そしてエクシーガに関して特筆すべきなのは、走りにおける満足度が非常に高いこと。山道を走っても、ボディがしっかりついてくる感覚があり、運転が存分に楽しめる。さらに、2列目3列目の居住性も良好で、同乗する仲間に同情する必要もない。「室内はとにかく広くないと」という人にはあまり向かないが、適度な囲まれ感を心地よく感じる人も少なくないはずだ。
スバルは「エクシーガ」のカタログやウェブサイトで、同車を「ミニバン」と呼んでいない。このクルマの存在で、ついに「快適なピープルムーバーはミニバン」だけじゃなくなったのだ。
コンセプト、パッケージング、シャシーとエンジンのバランス、いずれをとっても好印象。価格も含めて、個人的にはここ数年で最も感動したクルマである。