原油価格高騰だとか地球温暖化問題が世間を賑わすこのご時世、トヨタの新型コンパクトカー「iQ」は追い風を受けてデビューしたと言われている。でも、ホントにそうなんでしょうか? 自分には「iQ」がとてつもない逆風の中で登場したと思えるわけです。
なぜって、ビッグスリーの屋台骨さえグラつく大不況、「ヴィッツ」より狭くて「ヴィッツ」より高い“贅沢品”がはたして売れるのか? そもそも屋台骨ってどこの骨? という疑問はどうでもいいけど、「iQ」と「ヴィッツ」の燃費が大して変わらないのはなぜ? という疑問はみんなが持つはずだ。
ヴィッツの1リッター仕様が積む3気筒エンジンとiQの3気筒エンジンは、「1KR-FE」という型番の基本的には共通のユニット。実際にはiQへの搭載にあたってブロック部分から見直されているというけれど、10・15モード燃費はiQの23km/リッターに対して「ヴィッツ1.0」は22km/リッターと大差ない。
いっぽう最廉価版同士で比べるとiQが140万円、ヴィッツは107万1000円だから、財布と相談すればどうしても大人4人ががっつり乗れるヴィッツを選んでしまいそう。特に財布も心も弱っている今は。
iQはデビュー前から“革新的パッケージング”みたいな文句で煽られているけれど、実際に乗る人にとっては「ディファレンシャルギアを反転して前方に配置」だろうが「ステアリングギアボックスの上方配置」だろうが関係ない。大事なのは、日々の暮らしで便利だったり、あるいは乗る人に活力を与えてくれることだ。
というわけで、前評判は高いけどiQってホントにすごいの? ちゃんと4人乗れるんだからヴィッツのほうがエラくない? と思いながら、都内で行われたiQの試乗会に行ってきました。