いまから何世紀か後、新人類が遺跡の中から20世紀、21世紀のクルマをごっそり発掘したとします。トヨタもホンダもベンツもポルシェも、いろんなクルマが地面の下から掘り起こされたと仮定しましょう。
たとえば「トヨタ・アルファード」は、「四角い箱型のボディにシートを3列にしてたくさんの人を乗せる」ためのクルマだということが新人類にもイッパツで理解できるはず。目的が、わかりやすい。
「アウディ R8」もわかりやすいでしょう。「軽いボディと強力なエンジンで、2人しか乗れないかわりに効率よくスピードを出す」というコンセプトが、わりとすんなり伝わるはず。
「ジープ・ラングラー」だって、「高い地上高と4つのタイヤを駆動する仕組みで、荒れた道を走破する」という機能とか目的が、はっきり理解されるのではないでしょうか。
でも、「BMW X6 xDrive 50i」を理解するのはかなりハードルが高いと思われる。 「なぜこんなに大きいのに4人しか乗れない?」「2330kgもあって車高も高いのに、なぜ速く走るためのメカニズムがてんこもり?」「この四駆システムは速く走るためのものか? それともオフロードを走るためか?」「運転席に座ってみたら後方がまったく見えないのはどうして?」などなど、「?」だらけ。
「BMW X6 xDrive 50i」は、われわれにとっての「ナスカの地上絵」みたいな存在になるのではないでしょうか。何十メートルにもおよぶ巨大な鳥獣を地面に描いた「ナスカの地上絵」も、その目的は「雨乞い」だったとか「暦を知るため」だったとか言われているけれど、ホントのところはわかっていないらしい。何を目的に、「BMW X6 xDrive 50i」のように手の込んだものを作ったのか、新人類たちも頭を悩ますのでは……。