アイドリング・ストップは省エネ運転の有効な手段である。その運動は、一時は世の中に定着したかに見えたが、今では燃料価格が安くなったせいか、ほとんど話題にものぼらなくなった。手動でいちいちエンジンを切ったり掛けたりするのはやはり面倒で、習慣化するまでには至らなかったようだ。
一方で、アイドリングストップを自動的にやってくれるクルマは存在する。世の中に十分認知されたであろうハイブリッド車が、その最たるものだ。実際に運転の体験者も増えたわけで、アイドリングストップに省燃費の効果があること、静粛性などのメリットもあること、さらに機械がやってくれるのであれば手間いらずで便利であることなどなど、認識そのものは広まっているはずだ。
ならば、このシステムだけでも採用すれば、ハイブリッド以前の選択肢として有効ではないか……と考えたのが、マツダの「i-stop」システムである。
実際に試してみると、運転感覚にさしたる違和感はない。システムの存在など概ね意識することなく、燃費向上の効用のみ得ることができる。“概ね”というのは、まったく気が付かないレベルではない、ということ。エンジンの停止と再始動の動作はたしかに容易に感じ取れるし、停車時、エンジンが止まるだろうという期待に反してアイドリングが続いたりすると、アレッと驚かされたりもする。
このシステム、作動するには様々な条件が求められるのである。そのあたりも踏まえながら、そのメカニズムを紹介することにしよう。