新型Z4を初めて目にしたのは、その“披露宴”が行われた、2009年初めのデトロイトショーでの舞台上だった。照明を浴びるZ4も悪くはないが、このモデルの個性豊かでエキセントリックなルックスは、やはり屋外の自然の陽の光の下で目にすると、さらにグッとくる。試乗会が開かれたのは、スペイン東海岸の町アリカンテ。4月に入ったばかりでも太陽さえ昇れば青空の下、たちまち20度近くになる気候は、なるほどオープンエアモータリングを楽しむにはうってつけのロケーションだ。
国際試乗会のためにズラリと用意されたテストカーは、そのすべてがトップグレード「sDrive35i」で、ツインクラッチの2ペダルMTである7段DCTが組み合わされたモデル。オリジナル比2インチプラスの19インチシューズと、10mmのローダウン化と共に電子制御式の減衰力可変ダンパーを採用する「アダプティブMスポーツシャシー」がオプション装着されていた。
ちなみに、全テスト車の仕様統一はボディカラーまでをも、オリオンシルバーメタリックなる1色にまとめるほどの徹底ぶり。配布されたオフィシャル写真は全てがこの色のモデルで、深みがあってなかなか美しい塗装色だ。しかし一方で、悩みに悩んでモルディブブルーなる水色の旧「Z4」を手に入れた筆者の立場からすると、新型のカラーラインナップに「明るいブルー系」が用意されなかったのはちょっと寂しい……。
全幅とホイールベースはほぼ不変ながら、全長だけが140mmほど延長された新型のルックスは、誰がどこからみても「紛れもないZ4」そのものだ。実は全長延長分のうち120mmはリアのオーバーハング拡大にあてられている。しかし、見た目上はそれを意識させず、むしろロングノーズ/ショートデッキという、Z4ならではの特徴がより強まったようにさえ感じさせるのは、デザインの妙と言うしかないだろう。
さらに言えば、そんなショートデッキの中に、2分割されたハードトップが収まってしまうのもデザイン上のマジック。ルーフ部分が格納されるのはシート後ろのロールオーバーバーの直後からで、短く見えるリアデッキも実はそれなりの長さを備えているのが、このモデルのレイアウトなのだ。